海表

来いと言うから来たのに、通された社長室で海馬くんはずっと仕事してる。
ボクのことなんて眼中に無いみたい。
仕事の邪魔をするのも悪いからボクはただ大人しく待ってる。
今日、ボクの誕生日だって知っていて呼んでくれたんじゃないのかなあ。
『おめでとう』の一言が貰えたら、すぐに帰ってもいいんだけど。
その方が仕事の邪魔にならないと思うし。
ボク、此処に居てもやること無いし。
することと言ったら海馬くんを観察するくらい。
海馬くんって結構睫毛長いなあ…
「遊戯」
「えっ何？」
「後５分で終わらせる。その後はゆっくり付き合って貰うぞ。…何しろお前の誕生日だしな。たっぷりサービスしてやろう」

祝いの言葉は一番最後だ。

どうやらボクの考えてる事は海馬くんに駄々漏れだったみたい。

＊＊＊
遊戯ちゃんお誕生日おめでとう！！
６月の拍手文でした。

無自覚な恋の仕草　
06. ささやかな願掛け
お題恋したくなるお題（配布）

海表

海馬くん、もしよかったら今日一緒に帰らない？
海馬くんが学校へ来るたびにボクはこの台詞を告げようと心の中で何度も何度も練習する。
お仕事が忙しいかな。
時間があるのならゲーセンへ寄ってキミの腕前を見せて欲しいな。
以前ゲーセンでランキング上位を海馬くんが独占してるの見たんだ。ほんと、スゴイね。
城之内くんにだったら平気で話しかけることが出来るのに、海馬くんにはなかなか話しかけることが出来ない。
どうしてだろう、もっと仲良くなりたいのにな。
深呼吸して、落ち着いて…よし行くぞ！
「遊戯、貴様何を百面相している」
顔を上げたら目の前に海馬くんが立っていた。

心の中の練習は全然役に立たなくてボクはあわあわするばかりだ。

＊＊＊
接触時には深呼吸

無自覚な恋の仕草
恋したくなるお題（配布）

拍手文でした。