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「アーククレイドルの中心で動いているモーメントはマイナス回転、そこにより大きなプラス回転のモーメントをぶつけることが出来れば・・」
其れが可能なら、シティの消滅は防げるかもしれない。
遊星を助けるのが使命。
けれど、それは今、ゾーンの意思に反することになっていないか。
あの未来を変える、邪魔をしていることにならないか。
アーククレイドルが実際にシティへと落下してくる様を見ていると不安になる。
それでも自分に考えうる限りの解決策を提示せずにはいられない。
「おい、どうしたブルーノ。具合でも悪いのか」
モニターに目を落とし、俯くブルーノにクロウが言った。
「大丈夫?ブルーノ」
一番近くに居た双子たちが覗きこんでくる。
ブルーノは笑って見せた。
「大丈夫、急に色々あったからちょっと吃驚しちゃっただけ」
この時代の人たちを好きになり過ぎてる。
***
ブルーノちゃんをこっちへ寄越したのはゾーンっぽいし、
最終戦で敵に回ったらどうしよう;
「アキがケーキ差し入れに持ってきてくれたぜ」
白いケーキの箱を掲げて上がってきたクロウに、遊びに来ていた双子の歓声が上がる。
「どれがいい?」
子供優先、とばかりに二人に箱を開けて見せるクロウに、階下から追いかけてきたブルーノが言った。
「ボク、イチゴの乗ってる奴がいい!」
「お前なー龍可と龍亞が先だっつーてんだろ」
ふふっと笑って龍可が言う。
「わたし、モンブランがいいわ」
「オレ、チョコケーキ!」
龍亞も元気に手を上げる。
クロウは箱からケーキを皿に出しながら言った。
「ったく子供に気を使わすなよ。つーか、そんなにイチゴ好きだったか?」
「え、だってクロウは好きでしょう?」
***
ブルーノちゃんはクロたんにあげたかった。
遊星の処へ行く、と身体を起したジャックを、カーリーや狭霧たちが止めている。
それを横目で見ながらクロウは治療のために脱いでいたインナーを着込んだ。
枕元に置きっぱなしになっていた携帯が鳴った。
ディスプレイを見なくても誰からかわかる。
『行くのか』
「おう!」
心配そうな低い声に、出来るだけ元気に答える。
「すげータイミング、お前なんでわかったんだよ超能力でもあるんじゃね?」
軽い調子で続けると相手は苦笑した。
『言って聞くような鉄砲玉じゃないもんな』
「わかってんじゃねえか」
医務室の壁に映し出された画面は遊星の様子を伝えてきている。
クロウはちらと其れを見上げて聞いた。
「まだそっちでもテレビ映ってるのか?」
『あ、ああ。大分雑音入ってるけど』
「んじゃ、クロウ様の勇姿をしっかり見とけよ」
「また惚れ直すぜ」
『・・ホントお前には敵わねえわ』
相手は今度こそいつものように笑った。
***
もう惚れ直してる。
こんないちゃいちゃした会話されたら
カーリたんたちもジャックを止められなかったであろう(笑)
あとクロたんにしっかり着こまれちゃって残念(^^ゞ
サティスファクションタウンへ宅配へ行ったら、出てきた京介は人の顔を見るなりぼろぼろと泣きだした。
なんだ、なんだ。
「悪い、コンタクトを使ってみたんだけど、やっぱ駄目だわこりゃ」
相変わらず馬鹿だな。
こんな砂埃と土煙の多いトコでコンタクトなんて、そりゃ涙も出るわ。
「やっぱり眼鏡にしようかな」
眼鏡。
この眼鏡と言うアイテムは結構厄介だ。
かけた人間を1.5倍は頭がいいかの様に見せてしまう。
無駄に顔の良い京介が頭も良さそうに見えたら、さらにモテルに決まってる。
あくまでも頭良さそうに見えるだけで実際利口になるわけでもないけど。
つかオレの居ないトコでモテてどーすんだよ。
なんかムカついたから意地悪く言ってやった。
「老眼か?」
***
ちょっとヤキモチで意地悪
拍手文でした
