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「何故ですか」
「いや何故って…鳴上先輩はイケメンだし、花村先輩だって口を開けばガッカリ王子なんて言われちゃいるが、喋んなきゃイケメンってお墨付きってことだろ」
それだけ容姿の整った先輩方が参戦するのだ。
女装イベントとはいえ、元々の容姿はかなり重要だと思う。
比べて自分は身体もごついし目つきは悪いし、普通に戦って勝てるとは思えない。
此処はいっそ笑いを取る形にでもした方がまた勝機はあるのではないか。
そう思ったのだが、直斗は其れが不満のようだ。
「それはつまり巽くんはイケメンではないということですか」
「…イケメンじゃないだろが」
自分で言うのもなんだが、どう贔屓目に見てもイケメンという形容詞からは遠い位置に居ると思われる。
「その意見には賛成できません」
しかし直斗はそうは思っていないらしい。
「確かに少し目つきは悪いかもしれませんが、背も高いしがっちりしているし、男らしいといった面で鳴上先輩や花村先輩に引けを取っているとは思えません」
直斗の熱弁は続く。
「確かに人それぞれ好みの違いといったものはあるでしょうが、決してブサイクの類に属するものではないとボクは考えます」
「…はぁ。ありがとよ」
『目つきが悪い』は、まあ余計だが、『背が高くてがっちりしていて男らしい。』
つまりは直斗は完二をそう思っているということだ。
しかし、どちらにせよそれは女装にはむいてないってことじゃないだろうか。
そう思いつつも少し嬉しい完二だった。
***
完直
アニメじゃメーイクアップ!担当が誰かあんまし語られてなかったカンジなので
直斗がやってくれたら良かったのにな的な。
まあ直斗がやってマリリンじゃなー(^^ゞ
帰ったとたんオレンジの毛玉が飛びついて来た。
首にしがみ付いてぎゃあぎゃあ言う。
「ずるい!オレもつれてってってこないだいったのに!じゃっくまたひとりでいった!」
「外は危険なのだ仕方なかろう」
「やだズルイズルイ!!」
「重い!ぶら下がるな!!」
サテライトは女子供が安全に出歩ける保障のある町では無い。
そう言って聞かせてもこのチビスケには通用しないのだ。
ズルイ、オレも連れてけと首にぶら下がって騒ぐばかりである。
面倒なことにもう一人、クロウばっかりジャックと遊んでずるい、とばかりに背中から貼り付いてくる者が居る。
まるでおんぶお化けだ。
背中とお腹にチビをぶら下げて結局次は連れて行く約束をするしかないのだ。
***
チビ幼馴染組
ちび共はジャック大好き
「さてと、そろそろ寝ようぜ」
『一晩の御情けを頂戴します』
「一晩の…なんだって?」
またなんか妙な言葉覚えてきたな、このテレビっ子め。
『一緒に寝る時はそう言うものなのだろう』
私は眠らないが。とアストラルは無駄にどや顔をする。
じゃあ言うなよ。
つかなんだその一晩のうんちゃらって。意味がわかんねえ。
というかまあ覚えた言葉を使いたいだけなんだろう。
ええと最近エスパーロビン以外でアストラルが熱心に見てたのって…。
「時代劇かよ」
言うと、アストラルは大きく頷いた。
「あのなあ、其れは昔の人の言った言葉なの!今はフツーそんなこと言わないんだって!」
『そうなのか』
翌日夕飯の時に其れを思い出したので姉ちゃんに聞いてみた。
「姉ちゃん<一晩の御情けを頂戴します>ってどういう意味?」
姉ちゃんは味噌汁に咽て、しばらくげほげほした後、怒鳴った。
「子供には早い!!」
怒鳴られて、この話はオシマイになった、とオレは思っていた。
意味なんかどうでもいいし、デュエルに関係ないし、アストラルは今は使わない言葉ってことで納得したみたいだし。
と、思っていたら。
「さー寝るかあ」
そう言ったら上に浮かんでいたアストラルがススス…と降りてきてオレの口に……いやまてっ!!
「何してるんだよアストラル!!」
慌てて飛び退いたらアストラルは何故逃げるんだ、という顔をした。
まあ実際オレとアストラルは触れ合う事は出来ない訳だけども!
でも逃げるだろフツー!!
オレの動揺を余所にアストラルは言った。
『おやすみのキスだ、遊馬』
「だからフツーはそんなことしないんだって!!」
今度は何を見たんだこのテレビっ子め!!!
***
テレビっこアストラルさんに振り回される遊馬くんである。
