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『遊馬、私はアストラル世界から来た』
「あすとらるせかい?」
なんじゃそりゃ、と遊馬は首を傾げる。
そんな国聞いたことない。
『ナンバーズに勝ったことでまた少し記憶を取り戻した。私は異世界の人間だ』
「異世界って」
唐突な告白に遊馬はあんぐりと口を開ける。
其れをアストラルは理解できなかった、ととったらしい。
『此処とは違う次元にある世界だ』
「そんくらい説明してくれなくたってわかるっての!」
『そうか。キミが説明なしでわかるとは思わなかった』
アストラルはさり気に失礼なことを言う。
ムカつくけれど、別にこっちを怒らせようとしているわけではないらしい。
「・・・ってことはお前幽霊じゃないの?」
『そのようだ』
淡々と何の感情も無いかのようにアストラルはそう言う。
けれど、この間の先生とのデュエル、遊馬が追い詰められたら消えかかっていた。
幽霊なら、消滅するってことは成仏するってことかと思ってたのに。
お前、オレが負けたらホントに消えちゃうの
質問は声にならなかった。
***
幽霊だと思ってたわけだしね
負けたら消えるって言われても
ちょっとピンとこないとこあったんじゃないかな、と。
「遊馬!こんな時に何してるのよ!」
デュエルの最中に握り飯を取り出して食べ始めた遊馬に思わず小鳥は言った。
「これ?此れはオレの勝負メシ」
敗戦濃厚に見えて此方はハラハラしているというのに、遊馬は澄まして言う。
「やっぱちゃんとメシ食わねえと力でないしな!大きく強くなるためにはメシ食わなきゃ!」
確かに言っていることは一理ある。
しかし何も今ここで食べなくてもいいのではないだろうか。
そうは思っても、このマイペースっぷりが遊馬のいいところなのだ。
周りが笑っても気にしない。
「かっとビング」で挑戦していく。
「小鳥もダイエットとか言ってないでちゃんとメシ食った方がいいぜ」
「今ちらっと胸見たでしょ!!」
***
小鳥ちゃんがもう少し
遊馬を好きっぽいカンジが出てくると
嬉しいかも
「お前一体何者なんだよ」
『アストラル』
「それって名前だろ」
そうじゃなくって!と遊馬は言った。
「地球外生命体だとか、実は幽霊だとかさ!」
他の人間には見えないのだからそういった類かと思って訊いてみたのだが、アストラルの返答は至極あっさりしていた。
『わからない』
あんまりさらりと言われたもので、遊馬は何だか可笑しくなって笑ってしまった。
『何が可笑しい?』
何故笑うのか理解できない、とアストラルは言った。
「だってお前、自分の名前以外なんも覚えてないのに、デュエルのことだけはわかるって」
「どんだけデュエルが好きなんだよ!」
何もかも忘れてしまった癖に、それだけは、デュエルだけは覚えているなんて。
『そうだな』
アストラルが真面目にそう答えたのが可笑しくてさらに遊馬は笑った。
***
デュエル好き同士
仲良くなれそう、かな?
まだキャラ掴んでませんが。