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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「昴くんはアキちゃんが好きなの」
唐突な問いに昴は椅子から転げ落ちそうになった。
「にゃ、にゃんですかいきなり」
「噛んでる」
楽しそうに海翔は指摘する。
「にゃにを、根拠に、そんなことを」
気を付けたつもりが再び噛んでしまう。
海翔はまた笑った。
「アキちゃんがパーツを届けてくれたのがホントに嬉しかったみたいだからさ」
確かに、嬉しかった。
アレは自分にとって、とても大事なもので、だから其れが手元に戻って来たのは嬉しかった。
アレが大切なものなのだと解ってくれる人が居ることが嬉しかった。
しかし何故海翔に其れを指摘されなければならないのかが解らない。
牽制のつもりだろうか。
本人たちがお互いをどう思っているのかは知らないが、傍から見れば立派にカップルだ。
ただの幼馴染で、其処までの仲では無いのかもしれないが、互いに大切に思っているのは解る。
其処に他人が入り込もうだなんて思っていない。
牽制するつもりならば見当違いもいいところだ。
「部長はボクのタイプとは正反対です」
「へえ」
海翔は面白そうに唇の端を釣り上げる。
「じゃあ、昴くんのタイプってどんな子なの」
何故そんな話になる。
しかし言わなければ解放されそうもない。
「……大人っぽい、もっと理知的な人です」
何気にあき穂に失礼なことを言っているのだが、海翔は其処は指摘しなかった。
「年上とか?」
「……そうですね」
年上というのは避けるべきキーワードだったかもしれない、と思ったが、海翔は少し嬉しそうな顔をする。
「キルバラは?」
「……は?」
「キルバラは強い方がいい?」
「いえ、其処には特にこだわりは」
今度は少し面白くなさそうな顔になる。
なんなんだ。
良く解らない人だ。
昴はとりあえず話を逸らそうとした。
「……そういう八汐先輩はどうなんですか」
「オレ?そうだなあ」

「キルバラで21敗しても諦めない子かな」

「………………は?」
何を言われたのか全く理解出来なかった。
いや海翔の言った言葉は解るのだが、其れが誰のことを指すのかを理解することを本能が拒んでいる。
昴は混乱した。
それなのに海翔はさっさと立ち上がって言う。
「じゃあまた明日」
「え、にゃに、ちょ、先輩!」

混乱したまま置いていかれて、昴は益々焦るばかりだ。


***
カイスバ
ゲーム未プレイ・アニメのみ
昴可愛いよ昴!ってなったので書いた。
萌えに忠実に生きる。

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