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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「あんなに地味なくせに、居ないとなるとすぐわかりますねぃ」
唐突に総悟がそう言った。
窓辺に居た十四朗は炬燵に居座りぐだぐだする総悟を見下ろす。
地味と言った時点で誰の事を指すのかわかっていたが、一応聞いてみた。
「誰の事だ」
「山崎でさあ」
わかってんだろ、と言う風に総悟が返す。
わかってるよ、と十四朗は思った。
「何処行ったんですかい」
「仕事だ」
山崎は今、監察の任務で潜入捜査中である。
その捜査の詳しい内容は総悟にだって話す気はない。
けれどそれがまた総悟には気に入らないようなのだ。
何と言うか、十四朗が山崎を叱り飛ばしたりしていると、面白くないらしい。
昔からSっ気のある奴ではあるが、どうにもそれは。
「まるで恋をしてる様じゃないか」
同じ炬燵に入っていた局長・勲が笑った。
そう、恋。
「恋?」
「居ないと気になって仕方ないんだろう?そりゃあまるで恋じゃないか」
悪気なく笑う勲は自分が爆弾を投下したなんてまるで気が付いていないだろう。
そう、恋をしているようだ、と十四朗も思っていた。
視線が何時でも姿を追っている。
恋と断定するには、ちょっと幼いカンジの。
好きな子を虐めてしまう的な、とても幼い恋。
山崎を叱り飛ばしたり殴ったりすると、そんなことをしていいのは自分だけだと言わんばかりの態度で、十四朗に突っかかってくるのだ。
まだ恋だと自覚も無いような、そんな恋。
そうは思っていたけれど十四朗は黙っていた。それを総悟に言うつもりは無かった。
山崎が気の毒だと思ったからだ。
あれは一応それなりに優秀な観察で、自分の大事な部下である。
そして総悟は自他共に認めるSだ。ドSだ。
恋だなんて自覚しようものなら、被害にあうのは確実に山崎ではないか。
そしてそれは仕事にも影響が出るに違いない。
十四朗は溜息を付いた。
「近藤さん、ちゃんと責任とってくれよ…」


山崎の身の安全くらいは頼むから保証してやってくれ。




END

***
沖山

山崎のマイブームの波が一年に何回か来るのです
だからまあそのうち書くんだろうなって思ってた(^^ゞ
マイナーだと知ってる!

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