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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「ほい」
日向は目の前に差し出された半分のどら焼きを見て、それから其れを差し出してきた木吉のにこにこ笑う顔を見て、視線を本へ戻した。
「いらね」
「え、美味いぞ?」
「オレは今本読んでんだよ」
邪魔すんじゃねえあっち行けダアホ。
「ああ本が汚れるもんな」
日向のあっち行けという視線は木吉にはまったく通用しなかった。
目つきが悪いのには定評があるというのに。
木吉は相変わらず馬鹿みたいににこにこ笑いながらどら焼きをこっちへ向けている。
「いらねっつーてんだろが」
「うん、大丈夫。食べさせてやっから」
「は?」
何が大丈夫だ、何が。
どら焼きを持つと手が汚れる、手が汚れると本も汚れる、だから日向はどら焼きを要らないと言っている、と木吉は思ったらしい。
其処から「食べさせてやるから大丈夫」にすっ飛ぶところが天然の怖い処だ。
なんだつまりオレに「あ~ん」って口開けろっつーてんのかこのダアホは。
ふざけんなあっち行けダアホ。
何度ダアホを連呼しても木吉は「大丈夫」と言うばかりである。
大丈夫じゃねえんだよ何で男同士でそんなことしなきゃなんねえんだ。
キモイだろ。
日向の主張にも木吉は「そうか?」とやっぱり惚けた顔で首を傾げるだけだ。
「このどら焼き美味いぞ」
だから天然は嫌なんだ。
木吉を天然という言葉で括るには、腹黒すぎる気もするが、とにかくこの場は食べなければ収まらないらしい。
日向は大きくため息をついて渋々口を開けた。


「どら焼き食べるだけで30分ほど攻防を繰り返していました。木吉先輩の粘り勝ちです」
その場に居合わせた、というか、最初から居たのだが気が付いて貰えなかった為デバガメすることとなった黒子は火神にそう報告した。
「すげえな、30分も見てたのかお前」
火神は的を射てるんだか全く外れてるんだか、よく解らない感想を漏らした。

END

***
木日
ツンデレがデレるまでを観察する黒子様
エンドカードを見たら書かねばならぬと言う気分になった。
何なの木日って公式カプなの!?

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