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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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カッコ良い大人の男。
そんな風に思われる探偵になりたかった。
 

母親が事故ったと聞いて慌てて駆けつけてみたらば、事故にあった人を助けて病院へ行った、の間違いだったのだそうだ。
紛らわしい心配させやがってと怒る完二を、母親は病院で大声を出すな、と怒ったのだとか。
完二は本当に母親思いの優しい人なのだと思う。
伝説のように語られる暴走族殲滅の逸話も、元は母親の為であったという話だ。
何度か完二の家に遊びに行く間柄になって、その母親とも話す事が増えた。
さすが完二を育てた人なことはある、と思う。
古風な母親でありながら、言いたい事ははっきりと言う。
カッコ良い母親だと思った。
カッコ良い大人の男、そんな風に思われる探偵にずっとなりたかった。
大人の男でなければ探偵として認めて貰えないような気がしていた。
けれど別に『大人の男』でなくたってカッコ良く有ることは可能なのだ。
いつか、自分が子供を産むような事があったら、カッコ良いと子供に思われるあんな母親になりたい。
「巽くんと結婚した人はこの巽屋を継いで此処の女将になるんですね」
店内を見回して直斗は言った。
その言葉に完二が言う。
「いやお前は優秀な探偵だから、結婚したってそのまま探偵続ければいいんじゃねえか。カッコいい探偵になるのが夢なんだろ?」
「えっ」
「へっ?」

 
「ぼ、ボクの話なんかしてませんよ!」

 
カッコ良い探偵になりたかった。
其れは多分、何処に居たって可能なことなのだ。

誰かが側に居てくれるなら。


***
完直
カッコよいの定義って人それぞれよねって
完二カッコよいよねって

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