ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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大勢の『クロウ』が此れから起こる戦闘のために待機している大部屋の扉が音を立てて開いた。
『鬼柳』だ。
一人の『クロウ』が連れ帰ってきた『鬼柳』。
しかしこの『鬼柳』は他の者とは少し違っていた。
白目の部分が黒いので見ただけで誰の『鬼柳』が判別できる。
『クロウ』達の視線が『鬼柳』に集まる。
そんな視線を気にすることなく、まっすぐ一人の『クロウ』に近づくと言った。
「置いてくなよ」
『鬼柳』を連れ帰った『クロウ』には小さいながらも個室が与えられている。
目が覚めたら置いてきぼりだったのだ。
それには答えず『クロウ』は言った。
「・・・お前なんでオレがわかんの?」
此れだけたくさんの『クロウ』の中で真っすぐ自分の処へ歩いてくるとは思っていなかったのだろう。
『鬼柳』は笑った。
「だってお前、オレの匂いがするもん」
素直に自分の腕に鼻を近づける『クロウ』に『鬼柳』は高い声で笑った。
本当は匂いなんかしない。
ただ、自分を見る目が違うだけだ。
多分それは自分にしかわからない違いなのだろうが。
これが特別、ということなのだろうか。
***
まだ続く。
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