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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「わんわん!」
「ちょ、いきなり飛びついたらだめだって言ってるだろが!クロウ!!」
オレは遊星を抱えてクロウを追いかけた。
オレらと一緒で散歩中だったらしい白い大きな犬は、子供に飛びつかれて吃驚したようだが、それでも吠えたりしなかった。
よかった、大人しい犬で。
クロウは犬にくっついて嬉しそうだ。
あのな。
「だからいきなり飛びだすなっていつも言ってるだろ」
クロウは小さな子供と一緒だ。
目を離すとすぐに自分の興味のあるものへと走って行ってしまう。
下手したら噛まれたりするかもしれないってのに、まったく。
「スイマセン」
オレは飼い主らしい女の子に頭を下げた。
「いえ、大丈夫ですよ。大人しいコですし」
にこりと笑ってそう返してくれる赤毛の子はなかなか美人だ。
「ほら、クロウ。もう行くぞ」
「やあ!」
犬が気に入ったらしいクロウはなかなか離れない。
飼い主さんが言った。
「もっと優しく撫でてあげてね。そっちの子も良かったら撫でてあげて?」
遊星も犬に興味を示したので、下ろしてやる。
可愛がられて大事にされているらしい白い犬は、手入れがいいのか、手触りがいいらしい。
「スイマセン」
「いいえ。お子さん、ですか?」
子供にしてはオレが若いと思ったのだろう。
「え、いや子供ではないんですが」

クロウはオレの子供じゃない。
オレの、人形だ。
でもただの人形だなんて思えない。
人形だけど、とても大事で。
だけど別にペットみたいに大事にしたいわけじゃない。

オレは、クロウを本当はどう思ってるんだろう。
どうしたいんだろう。

***
白いでっかいわんこに纏わりつくショタクロ
考えるだけで可愛いと思って。

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