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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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自室に戻ったのは辺りがすっかり暗くなってからだった。
チームメイトと食事に行くこともあるが、家で自炊が基本だ。
エンジンの開発費を稼ぎながら幼馴染達と暮らしていた、あの頃の節約生活が染みついているのかもしれない。
尤もそれ以前から外食などと言う贅沢とはかけ離れた場所に居たわけだが。
もともとそういう所帯臭い性格をしてるんだろう。
とは言え一人で暮らしていると簡単な物ばかり作ってしまう。
今日ももう面倒くさいからぱぱっと作れるもんでいいかな、などと思いながら冷蔵庫を開けて中身を確認する。
その時携帯が鳴った。
ポケットに入れっぱなしだった其れを引っ張り出してみれば、ディスプレイに表示される文字。
その名前を見るだけで口角が上がるのがわかる。
『おう、クロウ!』
「おう鬼柳、どした?」
『だって七夕だぜ?一緒に星でも眺めようと思ってさ』
電話の向こうの鬼柳は楽しそうだ。
サティスファクションタウンで町長などやるようになって大分落ち着いたと思ったが、こういう処は変わらない。
一番年上のくせに何処か子供の様な処が。
此処で気がついた。
今自分が居るこの国と、鬼柳が済んでいるサティスファクションタウンはかなり遠い。
地球の裏側、とまではいかないが多少の時差がある。
この時間、あの街で星は見えるだろうか。
「おい、お前何処にいんだよ」
バレたか、と電話の向こうで鬼柳は笑った。
完全に悪戯に成功した子供の声だ。
『だって織姫と彦星は仕事しないから引き離されたんだろ?オレ達頑張って仕事してるっての!』
だからご褒美貰ったっていい筈だぜ、と鬼柳は言う。
『今最終で空港着いたトコ!此れからタクシー飛ばして会いに行くぜ』
「おま…本当に馬鹿だな!」
知ってたけどな!
精いっぱい呆れた声を作ってみせたけど、そんなのフリだけだって鬼柳はわかってる。
「今日の内に来いよ!」
おう、と明るい声を残して携帯は切れた。

 
さて本日のメニューは変更だ。


END

***
七夕京クロ
町長が会いにきました的な。

最終便がどうの京介が言ってますが
成田だと24時間発着可能じゃないので(5時~24時までらしい)
最終でも22時ちょい着みたい。
まあその辺は大雑把なカンジでさらっと流してください(^^ゞ

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