忍者ブログ
<< 2025/06 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


「美味い」
「そーか、よかったな」
時々こうやってウチにメシ食いに来るようになったコイツは、本当に嬉しそうに言う。
つまらなそうにコンビニ弁当を買ってた姿を知ってるだけに、コッチもなんか嬉しい。
パクパクと食べていた京介が、ふと箸を止めて言った。
「オレはクロウのウチにこーやって押しかけて、ご飯食べさせて貰って、すげえ幸せなのに、クロウにそれを全然返せてねぇ」
突然何を言い出すんだかコイツは。鬱か。
「オレには誰かを幸せにするなんてこと無理なんだろうなぁ」
よくわからん。わからんけど。
「幸せの定義なんて人それぞれだからなぁ」
クロウは少し考えて、言った。
「たとえばオレは、施設で育って、うじゃうじゃ大勢でモノ食うのが当たり前だったから、一人で食べんのがつまんねえし、作んのメンドクせえ」
神妙な顔で京介が此方を見ているので、そのままクロウは続けた。
「んでも、お前が来て、美味い美味いって食ってるの見るとちっと嬉しい」
「嬉しい?」
「嬉しい。此れも一応『幸せ』だろ」
クロウの言葉に、京介はえへーと笑った。

尻尾があったら振ってそう。

「おかわりー」
「つかお前は少し遠慮も知れ」

***
現ぱろ・京クロ
まだ知りあって間もないころ。

こうして懐かれたクロたんは
いつの間にか自分が美味しく頂かれてしまうのでありました(笑)

拍手

PR