ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「美味い」
「そーか、よかったな」
時々こうやってウチにメシ食いに来るようになったコイツは、本当に嬉しそうに言う。
つまらなそうにコンビニ弁当を買ってた姿を知ってるだけに、コッチもなんか嬉しい。
パクパクと食べていた京介が、ふと箸を止めて言った。
「オレはクロウのウチにこーやって押しかけて、ご飯食べさせて貰って、すげえ幸せなのに、クロウにそれを全然返せてねぇ」
突然何を言い出すんだかコイツは。鬱か。
「オレには誰かを幸せにするなんてこと無理なんだろうなぁ」
よくわからん。わからんけど。
「幸せの定義なんて人それぞれだからなぁ」
クロウは少し考えて、言った。
「たとえばオレは、施設で育って、うじゃうじゃ大勢でモノ食うのが当たり前だったから、一人で食べんのがつまんねえし、作んのメンドクせえ」
神妙な顔で京介が此方を見ているので、そのままクロウは続けた。
「んでも、お前が来て、美味い美味いって食ってるの見るとちっと嬉しい」
「嬉しい?」
「嬉しい。此れも一応『幸せ』だろ」
クロウの言葉に、京介はえへーと笑った。
尻尾があったら振ってそう。
「おかわりー」
「つかお前は少し遠慮も知れ」
***
現ぱろ・京クロ
まだ知りあって間もないころ。
こうして懐かれたクロたんは
いつの間にか自分が美味しく頂かれてしまうのでありました(笑)
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