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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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玄関のチャイムの音。
こんな時間に誰だよ、と思いつつ扉を開けるといきなりクラッカーを鳴らされた。
「メリークリスマス!」
「…てめえ、Ⅳ!其れ人に向けてやるなって親に教わらなかったのか!」
頭に乗ったゴミを床に叩きつけて怒鳴るとにこやか奴は言った。
「あいにく父さんは他の世界へ行ってた時間の方が長いんでね」
そうだった。
とは言えアニキとか居るんだし教えておいたっていいんじゃないだろうか。
つかそもそもクラッカーに注意書きが書いてあるだろうが!
怒鳴ろうとしたら璃緒も出てきた。
「五月蠅いわよ凌牙」
「璃緒、メリークリスマス」
「Ⅳさん」
奴のことを呼ぶ璃緒の声に棘が無い。
いつの間にか仲良くなっているカンジがムカつく。
「此れ、クリスマスプレゼント」
「え、私に?開けてもいいかしら」
中身はデッキケースだった。
「ありがとう、ちょうど新しいのが欲しいなって思っていたの」
「喜んで貰えて嬉しい」
なんだこの野郎。
「オレには何にもないのかよ」
「おや凌牙は私からクリスマスプレゼントが欲しかったんですか?」
猫被ってる時の胡散臭い笑みを張り付けてⅣが言う。
その喋り方止めろって何度言っても止めないのは嫌がらせ以外の何ものでもない。
璃緒にはプレゼントでオレには嫌がらせかよ。
いい根性してるなコイツ。
「お前からのプレゼントなんて居るかよ」
Ⅳは璃緒に向かって頭を下げた。
「では此れで」
「待って、」
「ちょ、待ておい!」
奴を追いかけて外に出たが、其処には誰も居なかった。
紋章の力はもうない筈なのにどうやって移動してんだアイツ。

家へ戻ると玄関に小さな箱が置いてあった。
中身は璃緒と色違いのデッキケース。
あの馬鹿。

璃緒だって―――――オレだって一応、お前にやるもの、用意してあったのに。



***
凌Ⅳ
デレ損なう凌牙さん
Ⅳさんの神代兄妹サンドを目論む私。

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