ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「そんなトコにおったら風邪引くで」
草むらに隠れて人の気配をやり過ごそうとしたのに、ソイツはわざわざかき分けて入って来た。
咄嗟に鱗の生えた腕を隠す。
人間は嫌いだ。
人と少し容姿が違う、それだけで石を持って追い払おうとする。
なのにソイツはひらひらと手を振った。
「こっちおいでぇ」
手招きする同じくらいの年頃の子供。
眼の辺りを布で覆った、風変わりな子供。
アレで良く自分を見つけることが出来たな、と思う。
変な奴。
ソイツは笑った。
「まあ確かになあ」
変な奴、と思ったことへの返答だとすぐに気がついた。
「せや。ワシ、サトリやさかい。ジブンと一緒や。半分、人間やない」
「…そうかよ」
石を持って追ってくる人間より、よっぽどマシ。
そう思ったからついて行ってみることにした。
サトリは古びた神社の前で立ち止まる。
「とりあえず雨風は防げるで」
「こんなトコ入って大丈夫なのかよ」
「此処は神さん居らんからの。別にバチ当たったりせえへんよ」
「そんなのわかるのか」
「わかるで」
サトリは笑う。
本当に見えているかのようだ。
「見えてるんやない、読めるだけや」
神さんが居ればもう少し周囲の音が違うんや、とサトリは言う。
コイツは本当に『サトリ』なのだと理解した。
自分と同じ。
妖怪と人間との間に生まれた子供。
仲間。
思わず伸ばした腕を、サトリはやはり見えているかのようにすい、と避ける。
「ワシに触ったらあかんで」
「ワシはサトリや。お前の心の奥まで読んでまうで」
*
「アンタ其れでよくその辺のモノぶつからないな」
出会ってからずっとサトリの両目は布で覆われたままだ。
そんな状態なのに見えるのと変わらぬ様子で障害物を避けて歩く。
「ああ…だいたい『読める』さかい」
サトリは笑った。
「木とか、草とか、生きもんはたいていなんか言うとるからな」
何言うとるかようわからんけど。触ればもう少し読めるで。
以前神さんが居ると音が違う、と言っていたことを思い出した。
其れは多分此れのことなのだろう。
「眼が見えない訳じゃないんだろ」
サトリは真が布の下を見たがっているのに気が付いて、困ったように笑った。
「見たら気持ち悪うなるで」
「見たい」
諦めたようでサトリは布を外して見せた。
焦げている。
第一印象は其れだった。
焼け爛れて皮膚が引き攣り、赤黒く腫れて醜い痕になっている。
「それ、」
真の動揺を当然読んだだろう、サトリは笑う。
「前、ワシを買った男がな、金儲けにサトリの力使える言うての。目が見えん方がサトリの力が強なる思うたらしいで」
まあ実際そんな変わらへんけどな、とサトリは笑う。
痛々しい。
その痕が、なのか。笑うサトリが、なのか。
それさえ解らず思わず手を伸ばすと、ついと避けられた。
「触らんといて。痛いんや」
碌な治療もせず放置された火傷の痕は膿んでいるように見えた。
サトリはさっさとまた布を巻いてしまう。
そうしていつものように笑う。
どうして自分は、自分たちは、こんなに理不尽に傷付けられなければならないのか。
人間なんて皆死ねばいいのに。
「滅多なこと言うたらあかんよ、マコ」
サトリはいつもの調子でそう言った。
***
花今
妖怪ハーフ花宮(ショタ)×サトリハーフ・ショタ吉
はなみやもいいけど真とかマコとか呼ばせたかった
花宮が何の妖怪とか全然考えてなくて
でも見た目人間と違うカンジ~とかテキトーに考えてて
鱗。蛇っぽいカンジ。
サトリは触らなくても当然心は読めるけど
触るともっといろいろ読める。サイコメトラー的な。
最初の鬼×サトリとは別物のつもりだけど
同じでも美味しいかも。
サトリが鬼に惹かれていって益々歪むはなみや―
萌える。
触るな言われて
頭いいから色々考えちゃうのがはなみや
本能のまま動いて後で考えるのが青峰
草むらに隠れて人の気配をやり過ごそうとしたのに、ソイツはわざわざかき分けて入って来た。
咄嗟に鱗の生えた腕を隠す。
人間は嫌いだ。
人と少し容姿が違う、それだけで石を持って追い払おうとする。
なのにソイツはひらひらと手を振った。
「こっちおいでぇ」
手招きする同じくらいの年頃の子供。
眼の辺りを布で覆った、風変わりな子供。
アレで良く自分を見つけることが出来たな、と思う。
変な奴。
ソイツは笑った。
「まあ確かになあ」
変な奴、と思ったことへの返答だとすぐに気がついた。
「せや。ワシ、サトリやさかい。ジブンと一緒や。半分、人間やない」
「…そうかよ」
石を持って追ってくる人間より、よっぽどマシ。
そう思ったからついて行ってみることにした。
サトリは古びた神社の前で立ち止まる。
「とりあえず雨風は防げるで」
「こんなトコ入って大丈夫なのかよ」
「此処は神さん居らんからの。別にバチ当たったりせえへんよ」
「そんなのわかるのか」
「わかるで」
サトリは笑う。
本当に見えているかのようだ。
「見えてるんやない、読めるだけや」
神さんが居ればもう少し周囲の音が違うんや、とサトリは言う。
コイツは本当に『サトリ』なのだと理解した。
自分と同じ。
妖怪と人間との間に生まれた子供。
仲間。
思わず伸ばした腕を、サトリはやはり見えているかのようにすい、と避ける。
「ワシに触ったらあかんで」
「ワシはサトリや。お前の心の奥まで読んでまうで」
*
「アンタ其れでよくその辺のモノぶつからないな」
出会ってからずっとサトリの両目は布で覆われたままだ。
そんな状態なのに見えるのと変わらぬ様子で障害物を避けて歩く。
「ああ…だいたい『読める』さかい」
サトリは笑った。
「木とか、草とか、生きもんはたいていなんか言うとるからな」
何言うとるかようわからんけど。触ればもう少し読めるで。
以前神さんが居ると音が違う、と言っていたことを思い出した。
其れは多分此れのことなのだろう。
「眼が見えない訳じゃないんだろ」
サトリは真が布の下を見たがっているのに気が付いて、困ったように笑った。
「見たら気持ち悪うなるで」
「見たい」
諦めたようでサトリは布を外して見せた。
焦げている。
第一印象は其れだった。
焼け爛れて皮膚が引き攣り、赤黒く腫れて醜い痕になっている。
「それ、」
真の動揺を当然読んだだろう、サトリは笑う。
「前、ワシを買った男がな、金儲けにサトリの力使える言うての。目が見えん方がサトリの力が強なる思うたらしいで」
まあ実際そんな変わらへんけどな、とサトリは笑う。
痛々しい。
その痕が、なのか。笑うサトリが、なのか。
それさえ解らず思わず手を伸ばすと、ついと避けられた。
「触らんといて。痛いんや」
碌な治療もせず放置された火傷の痕は膿んでいるように見えた。
サトリはさっさとまた布を巻いてしまう。
そうしていつものように笑う。
どうして自分は、自分たちは、こんなに理不尽に傷付けられなければならないのか。
人間なんて皆死ねばいいのに。
「滅多なこと言うたらあかんよ、マコ」
サトリはいつもの調子でそう言った。
***
花今
妖怪ハーフ花宮(ショタ)×サトリハーフ・ショタ吉
はなみやもいいけど真とかマコとか呼ばせたかった
花宮が何の妖怪とか全然考えてなくて
でも見た目人間と違うカンジ~とかテキトーに考えてて
鱗。蛇っぽいカンジ。
サトリは触らなくても当然心は読めるけど
触るともっといろいろ読める。サイコメトラー的な。
最初の鬼×サトリとは別物のつもりだけど
同じでも美味しいかも。
サトリが鬼に惹かれていって益々歪むはなみや―
萌える。
触るな言われて
頭いいから色々考えちゃうのがはなみや
本能のまま動いて後で考えるのが青峰
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