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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「そんなトコにおったら風邪引くで」
草むらに隠れて人の気配をやり過ごそうとしたのに、ソイツはわざわざかき分けて入って来た。
咄嗟に鱗の生えた腕を隠す。
人間は嫌いだ。
人と少し容姿が違う、それだけで石を持って追い払おうとする。
なのにソイツはひらひらと手を振った。
「こっちおいでぇ」
手招きする同じくらいの年頃の子供。
眼の辺りを布で覆った、風変わりな子供。
アレで良く自分を見つけることが出来たな、と思う。
変な奴。
ソイツは笑った。
「まあ確かになあ」
変な奴、と思ったことへの返答だとすぐに気がついた。
「せや。ワシ、サトリやさかい。ジブンと一緒や。半分、人間やない」
「…そうかよ」
石を持って追ってくる人間より、よっぽどマシ。
そう思ったからついて行ってみることにした。
サトリは古びた神社の前で立ち止まる。
「とりあえず雨風は防げるで」
「こんなトコ入って大丈夫なのかよ」
「此処は神さん居らんからの。別にバチ当たったりせえへんよ」
「そんなのわかるのか」
「わかるで」
サトリは笑う。
本当に見えているかのようだ。
「見えてるんやない、読めるだけや」
神さんが居ればもう少し周囲の音が違うんや、とサトリは言う。
コイツは本当に『サトリ』なのだと理解した。
自分と同じ。
妖怪と人間との間に生まれた子供。
仲間。
思わず伸ばした腕を、サトリはやはり見えているかのようにすい、と避ける。
「ワシに触ったらあかんで」

「ワシはサトリや。お前の心の奥まで読んでまうで」




「アンタ其れでよくその辺のモノぶつからないな」
出会ってからずっとサトリの両目は布で覆われたままだ。
そんな状態なのに見えるのと変わらぬ様子で障害物を避けて歩く。
「ああ…だいたい『読める』さかい」
サトリは笑った。
「木とか、草とか、生きもんはたいていなんか言うとるからな」
何言うとるかようわからんけど。触ればもう少し読めるで。
以前神さんが居ると音が違う、と言っていたことを思い出した。
其れは多分此れのことなのだろう。
「眼が見えない訳じゃないんだろ」
サトリは真が布の下を見たがっているのに気が付いて、困ったように笑った。
「見たら気持ち悪うなるで」
「見たい」
諦めたようでサトリは布を外して見せた。
焦げている。
第一印象は其れだった。
焼け爛れて皮膚が引き攣り、赤黒く腫れて醜い痕になっている。
「それ、」
真の動揺を当然読んだだろう、サトリは笑う。
「前、ワシを買った男がな、金儲けにサトリの力使える言うての。目が見えん方がサトリの力が強なる思うたらしいで」
まあ実際そんな変わらへんけどな、とサトリは笑う。
痛々しい。
その痕が、なのか。笑うサトリが、なのか。
それさえ解らず思わず手を伸ばすと、ついと避けられた。
「触らんといて。痛いんや」
碌な治療もせず放置された火傷の痕は膿んでいるように見えた。
サトリはさっさとまた布を巻いてしまう。
そうしていつものように笑う。
どうして自分は、自分たちは、こんなに理不尽に傷付けられなければならないのか。

人間なんて皆死ねばいいのに。

「滅多なこと言うたらあかんよ、マコ」
サトリはいつもの調子でそう言った。


***
花今
妖怪ハーフ花宮(ショタ)×サトリハーフ・ショタ吉
はなみやもいいけど真とかマコとか呼ばせたかった
花宮が何の妖怪とか全然考えてなくて
でも見た目人間と違うカンジ~とかテキトーに考えてて
鱗。蛇っぽいカンジ。
サトリは触らなくても当然心は読めるけど
触るともっといろいろ読める。サイコメトラー的な。
最初の鬼×サトリとは別物のつもりだけど
同じでも美味しいかも。
サトリが鬼に惹かれていって益々歪むはなみや―
萌える。
触るな言われて
頭いいから色々考えちゃうのがはなみや
本能のまま動いて後で考えるのが青峰

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