ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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もふもふ、もふもふ。
「えー加減にせんかい」
ふかふかの尻尾の感触を延々と楽しんでいた子供は振り払われて転がった。
転がったが、すぐに起き上がってまた尻尾に手を伸ばしてくる。
よほど気に入ったらしい。
しかし触られるこっちの身にもなって欲しい。
狐は子供の手を避けて言った。
「触んなや」
「いーじゃんケチ!其れくれよ!」
触らせろではなく、くれときたか。
子供特有の我儘だが、簡単にやれる訳がない。
「やらんわ。此れはワシの身体の一部や」
自分の体から生えているモノを他人にやれる訳がないではないか。
とは言っても、理屈では納得しないのが子供だ。
駄目と言われて不貞腐れた子供は、ややあってパッと顔を輝かせた。
「じゃあ今吉サンごと全部貰う」
「なんや其れ」
ワシは尻尾のついでか。
ワザとらしく拗ねて見せると大輝は言った。
「ちげーよ、オレ今吉サンのこと好きだから尻尾も好きなんだもん」
素直なのか馬鹿なのか。
どちらにせよ本気で思っているからこそさらっと出てくる言葉なのだろう。
この子供のこういう所が眩しくて、照れ臭い。
「ジブン将来タラシになるわー」
「タラシってなんだ?」
「いや知らんでええ」
投げやりに手を振ると大輝はまたむくれたが、すぐにまた名案を思いついたようだ。
「そうだ!ケッコンすればいいんだ!」
「はあ?!」
何を言い出したこの餓鬼は。
ちょっと待て、と突っ込む間もなく子供は続ける。
「ケッコンすれば今吉サンはオレのもんだろ!」
得意気にそう言われても困る。
「あんなぁ、妖怪と結婚て無理に決まってるやろ」
妖怪と婚姻関係を結ぶということがどういうことか、子供はまるで解っていない。
其れは簡単に言うのなら人間ではなくなるということ。
人間を捨てるということなのだ。
しかし其れを説明しようにも、子供はまだ幼くて、多分理解出来ない。
阿呆やしな。
狐は説明を放棄した。
要するに面倒臭くなって投げた。
「何で駄目なんだよ」
「駄目なモンは駄目や」
子供はしつこく食い下がる。
「なんでだよ、狐の嫁入りって言うじゃん」
阿呆、アレ天気雨の事やろが。
「つかワシが嫁か!」
「えー加減にせんかい」
ふかふかの尻尾の感触を延々と楽しんでいた子供は振り払われて転がった。
転がったが、すぐに起き上がってまた尻尾に手を伸ばしてくる。
よほど気に入ったらしい。
しかし触られるこっちの身にもなって欲しい。
狐は子供の手を避けて言った。
「触んなや」
「いーじゃんケチ!其れくれよ!」
触らせろではなく、くれときたか。
子供特有の我儘だが、簡単にやれる訳がない。
「やらんわ。此れはワシの身体の一部や」
自分の体から生えているモノを他人にやれる訳がないではないか。
とは言っても、理屈では納得しないのが子供だ。
駄目と言われて不貞腐れた子供は、ややあってパッと顔を輝かせた。
「じゃあ今吉サンごと全部貰う」
「なんや其れ」
ワシは尻尾のついでか。
ワザとらしく拗ねて見せると大輝は言った。
「ちげーよ、オレ今吉サンのこと好きだから尻尾も好きなんだもん」
素直なのか馬鹿なのか。
どちらにせよ本気で思っているからこそさらっと出てくる言葉なのだろう。
この子供のこういう所が眩しくて、照れ臭い。
「ジブン将来タラシになるわー」
「タラシってなんだ?」
「いや知らんでええ」
投げやりに手を振ると大輝はまたむくれたが、すぐにまた名案を思いついたようだ。
「そうだ!ケッコンすればいいんだ!」
「はあ?!」
何を言い出したこの餓鬼は。
ちょっと待て、と突っ込む間もなく子供は続ける。
「ケッコンすれば今吉サンはオレのもんだろ!」
得意気にそう言われても困る。
「あんなぁ、妖怪と結婚て無理に決まってるやろ」
妖怪と婚姻関係を結ぶということがどういうことか、子供はまるで解っていない。
其れは簡単に言うのなら人間ではなくなるということ。
人間を捨てるということなのだ。
しかし其れを説明しようにも、子供はまだ幼くて、多分理解出来ない。
阿呆やしな。
狐は説明を放棄した。
要するに面倒臭くなって投げた。
「何で駄目なんだよ」
「駄目なモンは駄目や」
子供はしつこく食い下がる。
「なんでだよ、狐の嫁入りって言うじゃん」
阿呆、アレ天気雨の事やろが。
「つかワシが嫁か!」
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