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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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まるで知らない人と話す様に自分と会話するからいらいらしていた。
今吉を強引に壁に押し付けて顔を近づける。
「…こんな状況で聞くのもなんなんやけど」
所謂壁ドンされた状態で今吉が言う。
「ワシと青峰が恋人同士やったってホンマ?」
「…誰から聞いたんだよ」
記憶喪失の今吉にそんなことを吹き込む奴の心当たりは一人しかいないが、青峰は聞いた。
「黒子っちゅーの?あの子が言うとった」
思った通りの人物の名が今吉の口から零れ落ちる。
尤も自分たちの関係がばれているのは黒子だけの筈だったから他の名が出てきても困る。
察しのいい幼馴染辺りは勘付いているのかもしれないが。
「だから早く思い出してあげてください、やと」
何でそないこと他人に言われなあかんねん。ワシかてはよ思い出したいわ。
面白くも無さそうに今吉は言う。
「まあ冗談かと思うたんやが」
「本当だよ」
今吉は他人事のように言う。
「黒子にはそんな話まですんのや」
「ちげーよ。アイツが探り入れてくるから…その、ポロっと」
青峰が黒子の誘導尋問に引っ掛からない訳は無いのだ。
黒子は青峰よりも賢いし、ああ見えて結構腹黒い。
青峰がそう思ってることも知らず今吉は言う。
「仲良しやな」
「別にそんなんじゃねえよ。テツも付き合ってるオトコ居るし、なんか仲間意識みたいのはあるけど」
黒子は火神と付き合っている。
今吉と付き合っていることを白状した時、黒子は自分の交際相手も男だと言ったのだ。
話や相談の出来る相手が欲しかったらしい。
その為に探りを入れてきたのだ。
「…アンタ今の状況わかってんの」
キスされる寸前、もしくはその先もされるかもって状態なんだけど。
何日も他人扱いされて本当に爆発しそうだ。
「わかってきたわー」
今吉は呑気に言う。
「ようするにアレやな、ワシはヤキモチ焼いっとんたんやな?」
「は?」
そんな素振りはまったく見た事ねえけど。
というか疑問系で聞かれても困る。
「そんなことわかんねえよ」
「うん、そうやろな」
今吉は頷いた。
「此処2週間でわかったんやけど、ワシは基本的に最悪の場合を考えて動くタイプやねん。一番悪い状況に対応出来るようにしとけば他の場合も何とかなるやろ。そんで人に素を見せるのが大嫌いや」
何となく其れは解る。
「まあつまり根暗なんやな」
今吉はそう自分を評価して笑った。
「そんでワシは青峰がホンマは黒子が好きなんやと思って一人で暗くうじうじしてたんとちゃうかな」
何処までも他人事、他人を観察した結果のように今吉は言う。

「オレが好きなのはアンタだ」


そうだ、自分が好きなのは今吉だ。
けれど眼の前の男は多分其れを信じていない。

いや、いなかった。

だからちっとも自分のことを思い出してくれないのだ。


肩口に顔を乗せれば、今吉は子供にするようによしよしと撫でてくれる。
そんな仕草は記憶がなくても全く変わらないのに。



この人は青峰の知っている『今吉翔一』ではないのだ。




***
青今
付き合ってる前提で記憶喪失今吉さん。
思い出して貰えないので青峰がイライラしてる
今吉さんは記憶がない分素直で正直だけど他人事

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