[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「・・・別にいいだろ」
阿久根を見上げて素っ気なくくじらは吐き捨てた。
「まあそれはそうだけど。せっかく可愛いのに勿体ないと思って」
「勿体ない?」
くだらない、こんな顔自分は嫌いなのだ。
「勿体ないよ。可愛い女の子の顔がみられないなんて男子にとっちゃ重大な損失だ」
「ウチのオニイチャンみたいなこと言ってんじゃねーよ」
「・・・あの人と一緒にされるのは不本意なんだけど」
自他共に認める異常にして変態、実の兄真黒。
アレと同類呼ばわりされるのは本気で嫌らしい。
「まあ、あれはヘンタイだからな」
実妹の目から見てもあの兄は本当に突き抜けて変態だと思うので、同種扱いは止めてやる。
「・・・で、やっぱりそのままなのかい」
しつこい。
本気で勿体ないと思っているようだ。
男というものはこんな生きものだったろうか。
それとも阿久根が特別なのか。
くじらは言った。
「高貴くんが古賀ちゃんと再戦して勝ったら考えてやるよ」
「いや其れは出来れば遠慮したいんだが・・・」
改造人間古賀いたみとの一戦を思い出したのか、うっと詰まった阿久根を見て、くじらは笑った。
***
阿久根×くじら
いや・・アリかなって思って
ねえよって突っ込んどく(笑)
くじらちゃん可愛いよ
福田真太という人は、ガサツで、下品で、野蛮で、女性に対する気遣いもない、なるべくならば関わり合いになりたくない人間だ、と思っていた。
新年会の会場で、ビンゴ大会が始まった。
残念ながら自分の持っているカードはまったく番号が開く気配がない。
「青樹嬢、揃いそうか?」
福田が青樹のカードを覗き込んで言った。
「オレはあと一つなんだがな。テレビはもう取られちまったし」
福田の一番欲しいものはもう無いらしい。
「青樹嬢、何が欲しいんだ?」
「・・・あのオープンハートのネックレスが」
「お、ビンゴ!!」
人の返事を遮って大声で叫ぶと、福田は壇上へ行ってしまった。
全く失礼な人だ。
ムッとしたのでビンゴ司会者と福田の会話など聞いていなかった。
ややあって戻ってきた福田がほい、と投げて寄越した箱を反射的に受け取って問う。
「なんですか?」
「欲しいんだろ」
箱の中にはオープンハートのネックレスが入っていた。
福田真太という人は、ガサツで、下品で、野蛮で、女性に対する気遣いもない、なるべくならば関わり合いになりたくない人間だ、と思っていた。
だけど、手の中の箱が嬉しいというのは、事実なのだ。
***
福蒼
福田さんはねー
女に優しく出来ないような奴は男じゃねえって思ってるタイプだと思うのよ。
「心配すんな、十代目とお前はオレが死んでも守ってやるって」
言われたハルはいきなり獄寺を突き飛ばした。
「嫌です!ハルは獄寺さんに守って貰わなくて結構です!」
「な、なんだそれ!」
「嫌です!」
一世一代の、それこそ告白めいた科白だったというのに、当のハルは嫌ですと繰り返すばかりだ。
頭に来て文句を言ってやろうと口を開きかけた時、ハルの大きな目に涙が浮かんでいることに気がついた。
其れはあっという間にぼたぼたと零れ落ちる。
ハルは言った。
「守ってくれなくていいから」
「死なないでください・・っ」
ああなんてオレは馬鹿なんだ。
「・・・悪かった。絶対死なないから泣くな」
そう約束するとようやく涙を拭ってハルは笑った。
***
獄ハル
ハル大好き
床に伸びた敵に向かって、アイツは言った。
「痛えに決まってるだろ。お前はどうしてそれを他人にやるんだよ」
すぐ逃げる卑怯者なのだと思っていた。
だけど、違う。
コイツは弱虫でも臆病者でもないのだ。
殴られる痛みを、知っている人。
だから本当はこの床に這っている糞野郎にだって拳を向けたくなかったに違いない。
きっと馬鹿みたいに優しいのだ。
動かなくなったヤツを前に項垂れてる。
でもコイツをやっつけたお陰で助かった人が大勢いる。
「アンタのお陰で助かったわ」
そう声をかけると、可愛い女の子にそう言って貰えると嬉しいね、と言っていつものお調子者の顔で笑った。
***
カブト×フー的な展開を期待する!