満足

「鬼柳、一緒に帰ろう。ジャックと、クロウも待っている」
遊星はそう言って、カードをドローした。
「今、皆インフルだから、ちょっと龍可たちの処にやっかいになることになるかもしれないが」
続けられた言葉に京介が反応する。
「インフル？」
「インフルエンザだ」
観客がざわり、と動いた。
「今流行ってる新型か？」
「馬鹿な、身内からインフルエンザが出れば、家族も一週間は外出禁止なはず！」
ギャラリーの間からどこかで聞いたような声がする。
「シティじゃ新型でもう結構な数の死人が出てるんだってよ！」
住民の不安を煽るように先ほどとは違う聞き覚えのある声がして、さらに観客がどよめいた。
「大丈夫だ、オレは熱は・・げほっ」
その声に答えるように遊星が苦しげにせき込みだす。
「新型インフルエンザだ！！」
その叫びと共に観客は蜘蛛の子を散らすようにわっと居なくなった。
マルコムやラモンはもちろん、棺桶屋も気がつけば居ない。

後に残ったのはケロリとした顔の遊星と、見覚えのある金髪と、それにオレンジ頭。

「さあ、帰ろう鬼柳」
「いや待て誰だこの作戦思いついたの！」

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ウソはつかないけどハッタリはかます鉄砲玉のクロウさまです（笑）