ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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開店準備をする店先にバイクが止まった。
見慣れた其れから、見慣れたオレンジ頭が降りてくる。
今日はずいぶん大きなリュックを背負っている。
「おはよーござーいまーす」
「おう、おはようクロウ。今日も早いな」
「おっす。ヨロシクー」
そう言ってバイクから抜いた鍵をボルガーの手のひらに乗せる。
「なーボルガーイチゴ好きか?」
「あ?ああ好きだけど?」
「じゃあよかったら食ってくれ」
渡されたコンビニ袋にはイチゴが山ほど入っていた。
いつもよりも大きなリュックにはコレが入っていたらしい。
保育園で子供たちと食べる分もあるのだろう。
「美味しそうだな。どうしたんだ?」
「いや昨日突然イチゴ狩りいきてえって言いだしてさ。んで一緒に行ってきた」
「そうか」
主語はないがこの間一緒に来てバイクを買った、色素の薄い髪の同居人だろう。
「悪いな、気を使わせて」
保育園で仕事する間、バイクは此処で預かっている。
特に料金などは貰っていない。
親友の保育園で働く、お得意様へのただの好意だ。
あの保育園には残念ながら碌な駐車スペースがないのだ。
クロウは意外に気配りするタイプであるから、気を使わせてしまったのだろうとボルガーは思った。
「別に使ってねえよ。いっぱいあるし美味かったからボルガーにも食べて貰おうと思っただけ」
食べて貰いたかっただけ。
そう言われると何だか嬉しい。
そう思っていると、クロウはニヤッと笑った。
「使ってるふりはしてるけどな」
「お前な」
けらけら笑うクロウを軽く小突いてやった。
***
バイクはボルガのトコに預かって貰ってる。仲良し。
思ったよりボルガーが好きということに気がついた。
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