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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「わしな、ホンマは妖怪サトリやねん」
何を言い出したんだこの腹黒眼鏡は。
卒業式だと言うのに見送りにも来ないで屋上で寝こけてる一年坊主に嫌味でも言いに来たのかと思ったがそうでもないらしい。
からかいに来たのだろうか。
実は人間じゃありません妖怪なんです、なんて、納得こそすれ驚かない。
「ああそう。やっぱりな」
「そんな反応かいな。もっと突っ込んでや」
突っ込みを期待するな。この関西人め。
変人だとは思っていたがやはり変人だったようだ。
思えば初対面から変な奴だった。
「そんでサトリが何の用だよ」
「いや最後やしな」
最後、という言葉が胸に痛みをもたらす。
人の心が読めるとか抜かしておきながらサトリは知らん顔だ。
「サトリはなあ、いろんな人間の声が聞こえんねんや。10人も20人も頭ん中でいっぺんに喋られてみい。頭痛うなるわ」
そりゃ大変だな、と適当にオレは言った。
「でもな、我の強い奴ん側におるとソイツの声が強うて其れしか聞こえなくなんねん」
「我の強い奴ってオレかよ」
「そうや」
にやりとサトリは笑う。
そう言えばこのサトリは、勧誘に来た時も何か言ってたっけ。
繊細で、勝つことで孤独になるのを怖がってる。
あの時は何言ってやがんだコイツ、と思ったが。
今は解る。
オレがただの臆病で馬鹿な子供だったって。
「今も」
オレは言った。

「オレの声が聞こえてんのかよアンタ」

サトリはやっぱり何を考えているかわからないつもの笑顔で笑う。
「青峰」
 
 
「何度も言うけどなあ、最強はお前や」
 
 
「頑張りや」
ひらひらと手を振って去っていくサトリの後ろ姿に泣きそうになる。


オレはもっとアンタとバスケがしたかった。




***
青今・今吉さん卒業
今吉さんが居てくれたから青峰は桐皇でバスケ続けられたんだよなあって。
続けてなかったらまたバスケ楽しいなって思えるようになれなかった訳だしさ。
もし青峰がもっと真面目に練習していたらどうだったのかなって後悔はしてない筈だけどねあの子。
と言う訳でうっかり青今ハマってるし。アニメで今吉さんと笠松さんでウチの子が一番自慢するからさ。
そんでやっとコミックス集め終わったら勧誘来てるよこの人妖怪サトリ繊細てアンタ!
ってな話です。

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