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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「オレ、アンタのこと好きだ」
いつもの顔で振り返った今吉がいつものように笑う。
「そうか、ワシもや」
二人っきりになった体育館で告白してみたが此れは全然本気にしていない。
もしくは全部解っていてスルーするつもりだ。
距離を詰めて捕まえて唇にキスを落とす。
今度はさすがの妖怪も驚いたようで一瞬固まった。
「こういう好きなんだけど」
Loveの方。
「アンタの事だからとっくに気が付いてるんだと思ってたぜ」
人の心が読める妖怪だって世間では実しやかに語られてる。
妖怪はオレの腕の中でもにょもにょ言う。
「…まあ言うほど嫌われてはいないんやろなとは思うとったがな」
でもそんなん気のせいかもしれんし。
珍しく気の弱いことだ。
「妖怪サトリの名が泣くぞ」
そう言ってやるとサトリは反論する。
「サトリはなあ、繊細な妖怪やねん。何でも読める訳やないで」
「へえ」
つかそれ自分で妖怪って認めてね?
サトリは続ける。
「惚れた相手の心の内だけは見えなくなってしまうねん」
だから自分は何も言えなくなってしまうのだ、とサトリは言う。
「そんなん声出せばいいだけじゃん」
青峰はもう一度言った。

「オレ、アンタが好きだ。今吉さん」

赤い耳をして顔を上げない腕の中のサトリはどうしても返事をしたくないらしいけど、言うまで離してやる気はない。


***
青今
サトリ能力発動に制限があったら可愛いかなって
 

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