ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「いったあああっ!何すんですか沖田さんっ!」
突き飛ばしたらちょうど後ろにあった柱で強かに頭を打ったらしい。
涙目になった山崎は後頭部を押さえてぎゃんぎゃん言っている。
五月蠅いなあ、と思った。
本当に五月蠅いなあって。
だから、その五月蠅い口を封じてしまおうと思ったんだ。
こうやって塞いでしまえば山崎は騒がないだろうって。
憎たらしいアイツの名前を口に出したりしないだろうって。
そもそも山崎が「副長がお呼びです」なんて呼びに来たりするからいけない。
山崎の口からアイツの名前が出るとそれだけでイライラするっていうのに、へらっと何時もの顔でやってきてそんな風に言うから。
ちょっと意地悪で突き飛ばしただけなのに、不意をつかれたらしい山崎は頭をぶつけて更に五月蠅くなった。
お前監察でしょ。もう少し用心したらどうなんだ。
突き飛ばされるなんて少しも考えていなかったっていうの。
どうやら本当に考えていなかったらしい山崎は思いっきり頭を打ち、此方に向かって文句を並べ立てている訳だ。
だからその口を塞いでやった。
軽く触れて、離れる。
それだけのことなのに嘘のように山崎は静かになった。
目をまんまるにしてこっちを見ている。
一体何をされたのかわかりませんという顔。
鳩が豆鉄砲食らった様だ、とはこういう時に使う言葉だろうか。
あ、可愛い。
可愛いと思った。
うっかり、山崎相手に可愛いなんて思ってしまった。
『まるで恋でもしているようじゃないか』
笑いながら言った近藤の言葉が突然すとんと胸に落ちてきた。
ああ、恋をしているのだ。
選りによって山崎なんかに。
唐突に理解した。
「ちょ、な、なんですかあ!」
また騒ぎだした山崎を置いて土方の所へ向かった。
ぎゃあぎゃあ言う山崎の声は追いかけては来なかった。
土方を適当にあしらって戻ってみたら山崎は畳の上に丸くなっていた。
追いかけてきて欲しかったのに。
帰ってきたがわかっただろうに顔を上げない。
もしかしてそんなに強く頭を打ったんだろうかなんてちょっと心配してみる。
「山崎ィ」
呼び掛けると山崎はばっと顔を上げた。
赤い。
またうっかり可愛いとか思ってしまった。
そんなことを思っている間に山崎はそのまま遁走した。
赤い顔のまま。
まったく、そんな態度とられたら虐めたくなっちまうだろ。
END
***
沖山
虐めっ子ですから。
突き飛ばしたらちょうど後ろにあった柱で強かに頭を打ったらしい。
涙目になった山崎は後頭部を押さえてぎゃんぎゃん言っている。
五月蠅いなあ、と思った。
本当に五月蠅いなあって。
だから、その五月蠅い口を封じてしまおうと思ったんだ。
こうやって塞いでしまえば山崎は騒がないだろうって。
憎たらしいアイツの名前を口に出したりしないだろうって。
そもそも山崎が「副長がお呼びです」なんて呼びに来たりするからいけない。
山崎の口からアイツの名前が出るとそれだけでイライラするっていうのに、へらっと何時もの顔でやってきてそんな風に言うから。
ちょっと意地悪で突き飛ばしただけなのに、不意をつかれたらしい山崎は頭をぶつけて更に五月蠅くなった。
お前監察でしょ。もう少し用心したらどうなんだ。
突き飛ばされるなんて少しも考えていなかったっていうの。
どうやら本当に考えていなかったらしい山崎は思いっきり頭を打ち、此方に向かって文句を並べ立てている訳だ。
だからその口を塞いでやった。
軽く触れて、離れる。
それだけのことなのに嘘のように山崎は静かになった。
目をまんまるにしてこっちを見ている。
一体何をされたのかわかりませんという顔。
鳩が豆鉄砲食らった様だ、とはこういう時に使う言葉だろうか。
あ、可愛い。
可愛いと思った。
うっかり、山崎相手に可愛いなんて思ってしまった。
『まるで恋でもしているようじゃないか』
笑いながら言った近藤の言葉が突然すとんと胸に落ちてきた。
ああ、恋をしているのだ。
選りによって山崎なんかに。
唐突に理解した。
「ちょ、な、なんですかあ!」
また騒ぎだした山崎を置いて土方の所へ向かった。
ぎゃあぎゃあ言う山崎の声は追いかけては来なかった。
土方を適当にあしらって戻ってみたら山崎は畳の上に丸くなっていた。
追いかけてきて欲しかったのに。
帰ってきたがわかっただろうに顔を上げない。
もしかしてそんなに強く頭を打ったんだろうかなんてちょっと心配してみる。
「山崎ィ」
呼び掛けると山崎はばっと顔を上げた。
赤い。
またうっかり可愛いとか思ってしまった。
そんなことを思っている間に山崎はそのまま遁走した。
赤い顔のまま。
まったく、そんな態度とられたら虐めたくなっちまうだろ。
END
***
沖山
虐めっ子ですから。
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「副長ぉおお!!」
「なんだ山崎、騒々しい」
面倒臭い書類たち相手に仕事をしていると其処へ駈け込んで来たものが居る。
監察・山崎だ。
「沖田隊長がっ…!」
「総悟がどうした?!」
真選組を目の敵にする者も多い。
そんな奴らに負けるような総悟ではあるまいが、何事かあったのかと立ち上がる。
「オレの耳噛むんです!」
涙目で訴える山崎を思わず土方は殴り飛ばした。
「てめえは先生に言いつけに来る小学生の餓鬼かぁあああ!!!!」
「だってぇええ」
「だってもクソもねえ!やられたらやり返せ!総悟の耳でも何でも噛んで来い!!!」
山崎を追い出してピシャリと障子を閉める。
「どうしたんです?オレの耳噛むんじゃなかったんですかい?」
廊下で固まる山崎とニヤニヤ笑う楽しそうな沖田を見て土方が後悔するのはこの数十分後の事。
***
副長が悪いと思う(笑)
「なんだ山崎、騒々しい」
面倒臭い書類たち相手に仕事をしていると其処へ駈け込んで来たものが居る。
監察・山崎だ。
「沖田隊長がっ…!」
「総悟がどうした?!」
真選組を目の敵にする者も多い。
そんな奴らに負けるような総悟ではあるまいが、何事かあったのかと立ち上がる。
「オレの耳噛むんです!」
涙目で訴える山崎を思わず土方は殴り飛ばした。
「てめえは先生に言いつけに来る小学生の餓鬼かぁあああ!!!!」
「だってぇええ」
「だってもクソもねえ!やられたらやり返せ!総悟の耳でも何でも噛んで来い!!!」
山崎を追い出してピシャリと障子を閉める。
「どうしたんです?オレの耳噛むんじゃなかったんですかい?」
廊下で固まる山崎とニヤニヤ笑う楽しそうな沖田を見て土方が後悔するのはこの数十分後の事。
***
副長が悪いと思う(笑)
「ハッピ~バレンタイ~ン~~」
呪いの呪文か!
そう思う様な抑揚のない声で言うと沖田はボウルの中味をおたまで山崎の上に垂らした。
「あっつ!!!!何するんですか沖田隊長!!」
中身は溶けたチョコであった。
当然熱い。
熱い熱いと騒ぐ山崎を尻目に沖田はのんびり言う。
「なんで世の中の女子は溶かして固めただけのチョコを手作りだと主張するんですかねぃ」
溶かしただけで手作りと言うのはどうかという理論で行くと、本格的にチョコを作るとなるとカカオから、ということになる。
それはちょっとどんな女子でも無理そうだ。
掛けられたチョコを拭きながら山崎は怒鳴る。
「知りませんよ!手間をかけたことをアピールしたいんでしょ!」
山崎がそう言うと沖田は我が意を得たり、とばかりに笑った。
「そう、それだ。ってことでオレも山崎の為に手間暇かけてみましたー」
「固めてくださいよ!!!」
何で溶けて熱いチョコを人に掛けるんだこのどSがあ!
「つかオレが嫌がるの見て楽しんでるだけじゃないですかああああ!」
「いやいや心を込めて手作りしたんですぜぃ」
「だからせめて冷やして固めてからくださいってば!」
嫌がらせだけでわざわざチョコを溶かしてきたのか。
その労力をもっとほかのことに使って欲しいものである。
「ああもうべたべたじゃないですか」
上着にまで付いてしまった。
ブツブツ言う山崎に、何処か拗ねたように沖田が言った。
「それで山崎はくれないんですかい」
ああ、そう言えばまだ18だった。
何だか唐突にそのことを思い出した。
そう思うとこの行動も可愛らしいものに思えてくる。
いや相手はどSだから油断は出来ないのだが。
「ちゃんと用意してますよ」
溶かして固めただけですけどね、と付け加えると沖田はバツが悪そうに笑った。
***
今頃バレンタイーン
呪いの呪文か!
そう思う様な抑揚のない声で言うと沖田はボウルの中味をおたまで山崎の上に垂らした。
「あっつ!!!!何するんですか沖田隊長!!」
中身は溶けたチョコであった。
当然熱い。
熱い熱いと騒ぐ山崎を尻目に沖田はのんびり言う。
「なんで世の中の女子は溶かして固めただけのチョコを手作りだと主張するんですかねぃ」
溶かしただけで手作りと言うのはどうかという理論で行くと、本格的にチョコを作るとなるとカカオから、ということになる。
それはちょっとどんな女子でも無理そうだ。
掛けられたチョコを拭きながら山崎は怒鳴る。
「知りませんよ!手間をかけたことをアピールしたいんでしょ!」
山崎がそう言うと沖田は我が意を得たり、とばかりに笑った。
「そう、それだ。ってことでオレも山崎の為に手間暇かけてみましたー」
「固めてくださいよ!!!」
何で溶けて熱いチョコを人に掛けるんだこのどSがあ!
「つかオレが嫌がるの見て楽しんでるだけじゃないですかああああ!」
「いやいや心を込めて手作りしたんですぜぃ」
「だからせめて冷やして固めてからくださいってば!」
嫌がらせだけでわざわざチョコを溶かしてきたのか。
その労力をもっとほかのことに使って欲しいものである。
「ああもうべたべたじゃないですか」
上着にまで付いてしまった。
ブツブツ言う山崎に、何処か拗ねたように沖田が言った。
「それで山崎はくれないんですかい」
ああ、そう言えばまだ18だった。
何だか唐突にそのことを思い出した。
そう思うとこの行動も可愛らしいものに思えてくる。
いや相手はどSだから油断は出来ないのだが。
「ちゃんと用意してますよ」
溶かして固めただけですけどね、と付け加えると沖田はバツが悪そうに笑った。
***
今頃バレンタイーン
前に立つ人物をなるべく刺激しないように、慎重に言葉を選んで告げる。
何しろ自他ともに認める『どS』だ。
しかも今日は普段普通の人間ならそう持ち歩くことが無いようなものを所持している。
正直怖い。
「あの、スイマセン沖田隊長、オレ市内見廻りに行かなきゃなんないんですけど」
「そうですかい」
出来たら早くどいて欲しいのだが、目の前の人物は山崎が右へ動けば左へ、左へ動けば右へ、と邪魔をし、通してくれる気が無さそうだ。
今頃車の中で短気な副長がイライラし出しているに違いない。
煙草が3本目を過ぎないうちに関所を潜りぬけたいのだが、どSの門番が大人しく通してくれるだろうか。
それにもう一つ気になるものがある。
「いや、そうですかい、じゃなくってですね。縄持って人の前に立たないで貰えませんか。つか何で縄?!」
何する気だそれで!
沖田は当たり前だろうという風にさらりと答える。
「縛らなきゃ山崎が逃げるじゃないですか」
「やっぱり縛る気ですかぁあ!」
薄々そうなんじゃないかという嫌な予感はしていたが、思った通りだったらしい。
悪いが本当にこっちはそういう趣味は無いのだ。
勿論沖田の趣味嗜好に合わせる気も無い。
かと言って本気を出されれば真選組一の剣士沖田に敵う筈は無い。
こんなことで才能を無駄使いしないで欲しいものだが。
とにかく捕まって縛りあげられる前に、この場から逃げださなければならない。
逃げ腰の山崎に、相手はじりじりと間合いを詰めてくる。
追いつめられた山崎が逃走の手段として使ったのはあんぱんだった。
しかし必死の想いで投げたあんぱんはあっさりと避けられる。
知恵空党の奴らには有効な攻撃手段だったのだが、やはり沖田には通用しなかった。
少しでも隙を作ることが出来れば、と思ったのだが、あんぱんでは無理だった。
「あーあ」
潰れたあんぱんを見て沖田がにやりと嫌な笑いを浮かべる。
「食いものを粗末にする奴にはお仕置きが必要ですねぃ」
あまりに遅い山崎に、痺れを切らした副長が怒鳴る声が近づいてくるのを、今日ほど有難く思ったことは無い。
END
***
沖山
何しろ自他ともに認める『どS』だ。
しかも今日は普段普通の人間ならそう持ち歩くことが無いようなものを所持している。
正直怖い。
「あの、スイマセン沖田隊長、オレ市内見廻りに行かなきゃなんないんですけど」
「そうですかい」
出来たら早くどいて欲しいのだが、目の前の人物は山崎が右へ動けば左へ、左へ動けば右へ、と邪魔をし、通してくれる気が無さそうだ。
今頃車の中で短気な副長がイライラし出しているに違いない。
煙草が3本目を過ぎないうちに関所を潜りぬけたいのだが、どSの門番が大人しく通してくれるだろうか。
それにもう一つ気になるものがある。
「いや、そうですかい、じゃなくってですね。縄持って人の前に立たないで貰えませんか。つか何で縄?!」
何する気だそれで!
沖田は当たり前だろうという風にさらりと答える。
「縛らなきゃ山崎が逃げるじゃないですか」
「やっぱり縛る気ですかぁあ!」
薄々そうなんじゃないかという嫌な予感はしていたが、思った通りだったらしい。
悪いが本当にこっちはそういう趣味は無いのだ。
勿論沖田の趣味嗜好に合わせる気も無い。
かと言って本気を出されれば真選組一の剣士沖田に敵う筈は無い。
こんなことで才能を無駄使いしないで欲しいものだが。
とにかく捕まって縛りあげられる前に、この場から逃げださなければならない。
逃げ腰の山崎に、相手はじりじりと間合いを詰めてくる。
追いつめられた山崎が逃走の手段として使ったのはあんぱんだった。
しかし必死の想いで投げたあんぱんはあっさりと避けられる。
知恵空党の奴らには有効な攻撃手段だったのだが、やはり沖田には通用しなかった。
少しでも隙を作ることが出来れば、と思ったのだが、あんぱんでは無理だった。
「あーあ」
潰れたあんぱんを見て沖田がにやりと嫌な笑いを浮かべる。
「食いものを粗末にする奴にはお仕置きが必要ですねぃ」
あまりに遅い山崎に、痺れを切らした副長が怒鳴る声が近づいてくるのを、今日ほど有難く思ったことは無い。
END
***
沖山
夜になってもこんなに暑いと言うのに、園長は今日も元気だ。
そしてシシドもやっぱり元気だ。
今日も元気に園内を走り回っている。
喧嘩をしているようで、あれはただ遊んでじゃれているだけだ。
最初こそ犬猿の仲といった感じだったが、いろんな事件を経て、今はそんなに悪い訳じゃない。
其れがわかっているから華も暢気だ。
其れにしても暑いのに本当に元気だ。
「まあ昼間寝てるしね…」
ライオンのオスは昼間はたいてい寝てる。
まあネコ科の動物だし、其れは仕方ない。
園内の掃除をしながら華は園長とシシドを目で追いかけた。
園長の長い兎の耳がぴょこぴょこ跳ねる。
そう言えばテレビでライオンもネコ科だからネコじゃらしにじゃれる、てやっていたなぁ。
そんな風に考えてしまう華だった。
***
椎名シシドと華ちゃん
じゃれる園長とシシド。
拍手文でした