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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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「気持ち良かった?」
何時もと同じ冷静な顔で鳴上が言う。
「あのなあ、ケツにナニ突っ込まれて気持ち良い奴が要るかよ!」
「そうは見えなかった」
淡々と返されてうぐと言葉に詰まる。
確かに超痛かったけれど実は後半はそれだけでは無かった。
其処が問題なのだ。
「…精神的にダメージ食らってんの」
ケツにナニ突っ込まれてちょっと気持ち良かったなんて認めたい訳が無い。
それなのに鳴上は特にたいした問題じゃないとばかりに言うのだ。
「いいじゃないか、気持ち良かったなら」
いいわけあるかよ。

しかしその反論は鳴上に届きそうもなかった。

***
そんな事後の鳴花

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「あんなに地味なくせに、居ないとなるとすぐわかりますねぃ」
唐突に総悟がそう言った。
窓辺に居た十四朗は炬燵に居座りぐだぐだする総悟を見下ろす。
地味と言った時点で誰の事を指すのかわかっていたが、一応聞いてみた。
「誰の事だ」
「山崎でさあ」
わかってんだろ、と言う風に総悟が返す。
わかってるよ、と十四朗は思った。
「何処行ったんですかい」
「仕事だ」
山崎は今、監察の任務で潜入捜査中である。
その捜査の詳しい内容は総悟にだって話す気はない。
けれどそれがまた総悟には気に入らないようなのだ。
何と言うか、十四朗が山崎を叱り飛ばしたりしていると、面白くないらしい。
昔からSっ気のある奴ではあるが、どうにもそれは。
「まるで恋をしてる様じゃないか」
同じ炬燵に入っていた局長・勲が笑った。
そう、恋。
「恋?」
「居ないと気になって仕方ないんだろう?そりゃあまるで恋じゃないか」
悪気なく笑う勲は自分が爆弾を投下したなんてまるで気が付いていないだろう。
そう、恋をしているようだ、と十四朗も思っていた。
視線が何時でも姿を追っている。
恋と断定するには、ちょっと幼いカンジの。
好きな子を虐めてしまう的な、とても幼い恋。
山崎を叱り飛ばしたり殴ったりすると、そんなことをしていいのは自分だけだと言わんばかりの態度で、十四朗に突っかかってくるのだ。
まだ恋だと自覚も無いような、そんな恋。
そうは思っていたけれど十四朗は黙っていた。それを総悟に言うつもりは無かった。
山崎が気の毒だと思ったからだ。
あれは一応それなりに優秀な観察で、自分の大事な部下である。
そして総悟は自他共に認めるSだ。ドSだ。
恋だなんて自覚しようものなら、被害にあうのは確実に山崎ではないか。
そしてそれは仕事にも影響が出るに違いない。
十四朗は溜息を付いた。
「近藤さん、ちゃんと責任とってくれよ…」


山崎の身の安全くらいは頼むから保証してやってくれ。




END

***
沖山

山崎のマイブームの波が一年に何回か来るのです
だからまあそのうち書くんだろうなって思ってた(^^ゞ
マイナーだと知ってる!

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「陽介」
「ん?なんだ相棒」
呼ぶから何か用事があるのかと思ったのに、悠はオレの次の言葉を待っている。
オレは自分でいうのも何だが、こういう人の心の動きには結構聡い方だとは思う。
けど今の悠を見たらよほど鈍感な人間じゃない限り何を待っているかなんてわかるだろう。
まるで子犬みたいに目をキラキラさせてオレの言葉を待っている。
いつも冷静でカッコよいくせに、普段はむしろオレの方が犬系じゃね?ってカンジなのに、そんな顔されたらもうお前の望み通りにするしかオレに手は残されてないだろうよ。

「なんだ?悠」

望む言葉を手に入れた悠のヤツはとても綺麗な顔でにこりと笑って言った。
「呼んだだけ」
ああもうオマエは!
そんな風に笑われたらオレはもう未来永劫その笑顔の為に名を呼んでやるしかないだろが!


***
鳴花
陽介と悠は!名前で!!呼び合う仲になった!!!!
ってことで
滾りました…!

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夜中に呼び出さされた花村は少しばかり不機嫌なように見えた。
いや実際不機嫌なのだろう。
「オレ何で呼び出された訳?」
さっきからぶうぶうと文句ばかり垂れている。
魚が逃げるから少し黙っていて欲しいものだ。
「五月蠅い。魚が逃げる」
「じゃあ呼びだすな!」
花村はキイと怒鳴った。
余程寒いらしい、まだブツブツ言う。
「大体釣りするのにオレ要らなくね?」
…お前が要らないなんてことは何時だって無いんだよ。
「今日はヌシ様が釣れそうな気がするから」
「それだけ?!」
「決定的瞬間を見せてあげようというオレの優しさだよ」
「そんな優しさ要らねえ!」
寒い!と更に花村は文句を言った。
「もっと暖かい時期に呼んでくれてもよかったんじゃねえの」
夏の間とか!せめて秋とか!
「その時は釣れる気がしなかった」
「釣ってよ!」
お前は不可能を可能にする男だろ、などと花村は無茶を言う。
正確には好きな子の前で不可能を可能に近づける努力を惜しまない男です。
ただの恰好つけだ。
文句を言いながらも帰らない花村に少し気を良くして釣り糸を垂れる。
「冬は冬でいいことがあるよ」
「ナニ?」
隣に座り込んで釣り糸を眺めながら花村が聞く。
「冬の方が星が綺麗に見える」
「そーなん?」
冬の方が空気が澄んでいるのだとか、聞いたことがある。
此方を見た花村はそのまま顔を夜空へと向けた。
釣られるように此方も空を見上げる。
大きな月が出ていた。
「あーホントだ」

 
「すげえ綺麗な月」

 
思わず花村を見た。
「…ナニ?!オレへんなこと言った?」
凝視していたら気がついた花村が吃驚したように言った。
「夏目漱石って知ってる?」
「んん?」
唐突な此方の問いに花村は首を傾げる。
そんな仕草も可愛い。
「知ってるぞ勿論、お札にもなったしな!まあ書いた話を読んだことがあるか、っつーとあんまないけど」
「だろうね」
お勉強の苦手な花村くんの事だからそんなことだと思ったよ。
馬鹿にしたニュアンスを感じたのだろう、花村は不機嫌に言った。
「なんなんだよ、それ」
種明かしは必要かな。
「夏目漱石が『I love you』を『月が綺麗ですね』って訳したって話」
「…………はあ!?」
たっぷり十秒は黙ってから花村は素っ頓狂な声を上げた。
自分が何を言ったか理解するのに時間がかかったらしい。
鈍い。
「いや違うからな!そういう意味で言ったんじゃないから!!単にホント綺麗だなって思っただけで!!」
「コクられたと思ってときめいたのに」
「傷ついた、みたいな顔を作るな演劇部!」

ちょっとどきっとしたのは本当だよ。
なんて言ったら花村はどうするんだろう。


END

***
P4A鳴花
私はきっとどんなジャンルに行ってもこのネタを書くんだろう(^^ゞ
月が綺麗ですね。

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「ヨースケ」
ジュネスでのバイトの帰り道、隣を歩く陽介に問うてみる。
「クマは何なんクマかね?」
クマはテレビの中の住人だ。
クマは人間ではない。
クマは一体ナニなんだろう。
足元が無くなってしまうような不安、それに陽介は簡単に答えをくれるのだ。
「クマはクマだろ」
お前がそう言ったんじゃん、と笑う。
陽介は優しい。
軽くてお調子者に見えるけど、人の心の動きには敏感なのだ。
今もきっとクマの不安に気が付いてる。
「ヨースケ、手を繋いで帰るクマ」
「ああ?やだよ子供じゃあるまいし」
そう言いながらちゃんと手を繋いでくれる。

その手の暖かさに安心するのだ。


***
P4Aクマはな…?

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