ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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仲間には手を出さない、と約束はしたが、ボスの座を狙うことは諦めない。
そんなわけでシシドは椎名に喧嘩を吹っかけては、返り打ちにあっている。
其れは動物園のお馴染みの風景になりつつある。
「でももうちょと手加減してください」
壊れた檻の前で華は園長に苦情を申し立てた。
今回はちょっと物を壊し過ぎたらしい。
やりすぎた、と思ったのかぷいとそっぽを向くシシドと、何の反省もなさそうな椎名。
だが思うところがあったのか、ふむ、と考えて椎名は言った。
「そうじゃな、五月蠅い子供には少しお仕置きが必要かもしれんな」
「お仕置きー?」
「知っているか、シシド」
「うさぎは一年中発情期なんじゃ」
「・・は?」
シシドはその言葉の意味を理解する前にずるずる引きずられて行った。
***
お仕置きって言ったらね!
一年中ってのはホントらしいですよ。
正確には発情期が無く年中可能ってことらしいですが。
「行こう、園長たちにこのサーカスの実態、知らせなきゃ!」
その前に!
くるりと華は此方を振り返った。
「シシドくん傷の手当て!取り敢えず止血だけでもしとこ!!」
ポケットをぱしぱし叩いて、何も使えるものが入っていないことに気が付いたらしい。
華は、シシドが使っていたバンダナを拾い上げた。
それって顔を隠すために必要なものなんじゃないかなあ。
どうみても人間離れしているシシドが外を歩くのに要るものではなかろうか。
菊池の心配を他所に華はそれをシシドの頭に巻こうとする。
シシドはそれを嫌がった。
「こんなん舐めときゃ治る」
「無理だよ頭なんて舐めるのは!」
確かに。
「ねえ、お願いだから」
泣きそうな華に渋々シシドが大人しくなる。
「いってーよ!」
「ご、ごめんなさい」
なんだかんだ言っても仲が良いな。
騒ぎながらも、包帯代わりにバンダナを巻く、その様子は何処か微笑ましい。
なんか、姉弟みたいだ。
***
悪餓鬼弟とお姉ちゃん、みたいな。