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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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墓の前でただ、立ち尽くす。
こんな風になってから自分がどれだけ守られていたか、どれだけ大切だったかわかるってのも何とも馬鹿な話だ。
馬鹿だと、やっとわかったところで其れを伝える術はもうないのだ。
せめて最後の言いつけくらいは守ろうと携帯を開く。
現れたのはどう見ても頭のイカレたおっさんだった。
だが、エクソシストらしい。

「オレを、仲間にしろ」

茨の道だろうがなんだろうが絶対にエクソシストになってやる。
そしてサタンの野郎をぶん殴る。

それくらい出来なきゃ胸張って藤本獅郎の息子だなんて名乗れねえだろ。

***
青エク



 

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飼育員の声が聞こえる。
ぼんやり目を開けると黒が目に飛び込んできた。
黒い、服。
誰かの背中だとしばらくして気が付いた。
温かい。
また飼育員が背負ってくれたんだろうか。
自分で歩けるから下せっての。
そう言おうと思うけれど、歩調に合わせて揺れる背中の上は、なんだか揺りかごのようで眠くなる。

あったかいかっら、いいかあ。

園に着くまで寝ることに決めて、力を抜いた。
椎名の声が聞こえたけど、気にしない。


***
華ちゃんにおんぶして貰ったってので
帰りは園長にして貰ったらいいのに!
という願望と妄想

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仲間には手を出さない、と約束はしたが、ボスの座を狙うことは諦めない。
そんなわけでシシドは椎名に喧嘩を吹っかけては、返り打ちにあっている。
其れは動物園のお馴染みの風景になりつつある。
「でももうちょと手加減してください」
壊れた檻の前で華は園長に苦情を申し立てた。
今回はちょっと物を壊し過ぎたらしい。
やりすぎた、と思ったのかぷいとそっぽを向くシシドと、何の反省もなさそうな椎名。
だが思うところがあったのか、ふむ、と考えて椎名は言った。
「そうじゃな、五月蠅い子供には少しお仕置きが必要かもしれんな」
「お仕置きー?」
「知っているか、シシド」

「うさぎは一年中発情期なんじゃ」

「・・は?」
シシドはその言葉の意味を理解する前にずるずる引きずられて行った。

***
お仕置きって言ったらね!
一年中ってのはホントらしいですよ。
正確には発情期が無く年中可能ってことらしいですが。

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「一緒に来るか」
館長を連れて海へ帰る、と言ったくせにそんな風に手を差し出してくる。
阿呆か。
「馬鹿か。オレ泳げねえよ」
「そうだろうな」
そう言うと思っていた、と言う顔で奴は笑った。
「陸と海・・本来なら出会うこともなかった俺とお前がこうして話をしているなど、でら奇跡」
奇跡とか運命とかそんな言葉どうでもいい。

お前は海に帰って、此れでもう二度と会うことはない。

***
サカ→←シシ

住む世界が違いすぎるので叶わない恋、みたいな


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「行こう、園長たちにこのサーカスの実態、知らせなきゃ!」
その前に!
くるりと華は此方を振り返った。
「シシドくん傷の手当て!取り敢えず止血だけでもしとこ!!」
ポケットをぱしぱし叩いて、何も使えるものが入っていないことに気が付いたらしい。
華は、シシドが使っていたバンダナを拾い上げた。
それって顔を隠すために必要なものなんじゃないかなあ。
どうみても人間離れしているシシドが外を歩くのに要るものではなかろうか。
菊池の心配を他所に華はそれをシシドの頭に巻こうとする。
シシドはそれを嫌がった。
「こんなん舐めときゃ治る」
「無理だよ頭なんて舐めるのは!」
確かに。
「ねえ、お願いだから」
泣きそうな華に渋々シシドが大人しくなる。
「いってーよ!」
「ご、ごめんなさい」
なんだかんだ言っても仲が良いな。
騒ぎながらも、包帯代わりにバンダナを巻く、その様子は何処か微笑ましい。

なんか、姉弟みたいだ。

***
悪餓鬼弟とお姉ちゃん、みたいな。




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