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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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雨の日は何故かイライラする。
室内に籠った嫌な「気」が全部此方に向いているように思えてくる。
実際聞こえるように陰口を叩いてくる輩も居るのだ。
『昔はブルー寮トップなんて威張っていたけど』
『たいしたことないね』
こそこそと悪口を言っている暇があったらデュエルでかかってこい、と思う。
けれど本当はそんな噂を気にしてしまう自分が一番嫌だ。
青の制服を捨てて、この学園でただ一人の黒い服を着て。
自分は自分だと、ふっ切った筈なのに。
「なんだ万丈目、イライラしてるなあ」
黄色い制服を着た男がのんびりと言った。
にこっと笑って馬鹿なことを言う。
「生理かい」
「んなわけがあるかあ!」
この数式馬鹿は頭は悪くない筈なのだが、時々阿呆なことを言う。
「貴様はオレをなんだと思ってるんだ!」
「何って…」

「万丈目だろ?」

阿呆なことを言うくせに時折欲しかった答えをさらりとくれたりするのだから始末に負えない。

***
三沢は頭いいけど馬鹿だと思ってる(^^ゞ

恋するカレンダー12題2
レイニーブルーの鐘の音

お題Fortune Fate

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『今年のイエローTOPは相当デキるらしいぜ』
4月に入った途端流れ出した噂は、最後に必ずこう付け加えられていた。
『万丈目だって負けるかもしれないな』
明らかに悪意のある噂。
万丈目がピリピリするのも無理はない話だろう。
中学からの持ち上がりで、自分はエリートであるという自覚があった。
あんな奴に負けるわけがない。
「…おい、何をしている」
「ああ、ごめん。数式を解いていたらいつの間にか…」
廊下にまで数字を書き散らし、三沢はへらりと笑う。

こんな奴に負けるわけがないではないか。

奴の一挙一動がいちいち気に障る。

***
意識してる。

恋するカレンダー12題
芽生える気持ち、若葉の憂鬱

お題Fortune Fate

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「新入生だ!可愛いねえ」
今年も新入生が船に乗ってやってきた。
自分も去年はああやって船でこの島へやってきたのだ。
「初々しいどん」
「キミは最初っから全然可愛くなかったけどね」
今年3年になった小さな先輩はいつものように笑って憎まれ口を叩く。
丸藤先輩だって相当憎たらしかったザウルス。
なんて言うと喧嘩になってしまうので「そんなことないザウルス」と返しておく。
自分も相当この先輩の扱いに慣れてきた。
「でもキミと初めて会った時はこんな風にお喋りするようになるなんて思ってもみなかったッス」

それは、自分もだ。

最初はアニキを取り合って喧嘩ばかりしていた。
小さいくせに本気でかかってくる相手に此方も本気で応戦する訳にもいかず傷だらけになったりもした。
この先輩に恋をしてしまうなんてあの頃の自分は思ってもみなかった。

未来はわからないものだ。

「剣山くんどうしたッスか?顔赤いよ」
覗きこんでくる先輩にさらに狼狽してしまうことだって数秒前にはわからなかったことだ。


***
剣→翔

恋するカレンダー12題 
桜色に頬染めた君と

お題Fortune Fate

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クッキーの詰まった可愛らしい包み。
ガタイのいい自分にはちょっと似合わないラッピングの此れを、さてどうやって意中の人に渡したものか。
其れが大問題なのだった。
先月、小さな先輩にチョコを貰った。
勿論向こうはそんなつもりはないだろうが、世間ではバレンタインデーと言う日だった。
買ってあったチョコをお腹空いたから半分こして食べただけ。
それでもちょっと嬉しかった。
だからホワイトデーである今日、さりげなくお返しを渡したいとか思った訳なんだが、どうしてそれが難しい。
「何持ってるの剣山くん」
らしくもなくため息をつく剣山の後ろから翔が顔を出した。
「うっわ丸藤先輩っ」
目聡く箱を見つけた翔は可愛らしく両手を出した。
「あ、これモロゾフのクッキーでしょ。いいなーちょっと頂戴」
「あ、あげるザウルス!」
箱ごと押しつけて遁走する。

「もー意気地無しだなあ」
翔がそう呟いたことなんて剣山はもちろん知らない。

***
確信犯的な。

恋するカレンダー12題
甘く訪れた純白のキセキ

お題Fortune Fate


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「わあアニキ結構貰ったね」
「全部『義理だから』って念押されたけどな」
いいなあと言うと、中身はチョコレートと思われる綺麗なラッピングの箱や包みを手に十代はそう返した。
「さっそく寮帰って食べようぜ」
今日がバレンタインデーであることはわかっているようだが、その様子は「お菓子ゲット!ラッキー♪」くらいなカンジだ。
アニキはちょっとそういうの鈍感だよね。
此れだけ綺麗にラッピングされたチョコたちだもの、言えなかっただけで本命の人ももしかしたら居るんじゃないかなって翔は思っている。
「それアニキが貰ったんだもの、アニキが食べてあげなきゃ駄目だよ」
「…じゃあ翔には此れやる」
そう言って十代がポケットから出したのは普通の板チョコ。
「さっき購買で買ってきた」
十代の言葉に翔は首を傾げる。

…もうこんなにチョコを貰ってるのに?

わざわざ自分の為に買ってきてくれたのだ、と気がついて翔が赤くなるまであと数秒。


***
十→←翔で此れから進展するカンジの

恋するカレンダー12題
勇気をくれたチョコレートブラウン
お題
Fortune Fate

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