忍者ブログ
<< 2024/05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

自分の小柄なペルソナが素早さで相手を撹乱し、完二のペルソナがそのパワーで持って敵をねじ伏せる。
手強いといえど、自分たちならば倒せない相手では無い、と思った。
『此処はボク達が食いとめます』
可能であると思ったからこその発言だった。
ボク達。
その言葉が自分の口から自然に出た事に思わず直斗は笑った。
「なんだ、楽しそうだな」
完二が言う。
「ええ、確かにボクは楽しいのかもしれません」
直斗は其れを認めた。
完二はその答えに少し納得がいかなかったようだ。
「あんな糞野郎と戦ってんのにか?」
「いえ、足立と戦う事が楽しい訳じゃない」
この事件の真犯人である足立を許せないと思うのは直斗とて同じ気持ちだ。
 
「誰かと一緒に、というのが楽しいんです」
 
「ご存知の通り、探偵の仕事と言うのは地道な作業の連続だ」
聞き込みや尾行などを繰り返し、情報を集めて、推理していく。
警察に協力する事もあるが、ある程度真相が見えてくるとすぐに邪魔にされる。
だからずっと一人だと思っていた。
一人きりでずっとやっていくのだと思っていた。
「ボクはこんな風に誰かと一緒に犯人を追いつめる事があるなんて考えもしなかった」
直斗は完二を見て笑った。
「『ボク達が』なんて言葉が自然にボクの口から出る事があるなんて思ってもみなかったんです」
ボク達ならば出来ると思えた、其れは相手を信頼している証拠ではないだろうか。
そんな風に思えた、其れが嬉しい。

「さあ、こんな奴さっさと『ボク達』でやっつけてしまいましょう」
直斗の言葉に完二は力強く、応と答えた。




END
***
直斗がさらっと「ぼくたち」とか言うので超萌えた。

拍手

PR
ジュネスでいつものバイト中、珍しい人物を見つけた。
「よう、完二。珍しいじゃん、何か買い物か?」
「花村先輩、チース」
完二はぺこりと頭を下げる。
見た目はどっからどう見ても厳つい不良だが、素直で礼儀正しい可愛い後輩だ。
さてその後輩が何をしにジュネスに来たのかというと。
「ああ、お返しか」
ホワイトデーである。
ジュネスでも特設コーナーが出来ている。
完二は頷いた。
「オレ、身内以外に貰うの初めてなんで…お返しってどんなんがいいんすかね」
身内以外に貰うの初めてって…ちょっと涙出そうになった。
いい奴なのになあ。
手先が器用で編みぐるみとか作ったりするし、料理だって結構上手い。
結構中身は草食系男子だと言うのに、かなり見た目で損をしている。
その辺上手くアピール出来ればモテそうなもんだけどな。
けれど不特定多数にモテても仕方ないのだ。
完二には思う相手が居るのだから。
 
わかりやすく顔や態度に出るこの後輩の恋を、陽介は応援してやりたいと思っている。
決して、面白がっては居ない。
 
「まあ、義理だし…この辺何かいいんじゃないかな」
悪い意味で『腕に覚えあり』な女性陣に、頼むから手作りだけは勘弁してくれとお願いした結果、皆ジュネスで購入してくれた。
したがってだいたいの値段は把握している。
義理チョコだし、貰ったものと同じ値段のもので構わないんじゃないかと思うが、それより少し上の物だと心証も良くなる。
「皆、同じもんでいいんすか」
「んー…そうだな」
陽介は二つの品物を手にとって言った。
「此れと此れ、同じメーカーの同じ値段の物だけど、中身が違う。お前だったら緑の包装紙のとピンクの奴とどっちを里中にやる?」
完二は二つを見比べて答えた。
「はあ…こっちの緑色の包装紙の方っすかね」
「そゆこと」
陽介は正解に大きく頷く。
まあアイツの場合お菓子よりも肉を寄越せとか言いそうだけども。
「相手のイメージを重視して選ぶとさらに印象は良くなる」
…筈だ、多分。
女子は貰ったもの見せ合うだろうしな。
「成程」
「でもお前にはこの方法は勧めない。全員同じものにしろ、っつーね」
「なんでっすか」
不審そうに完二は聞き返す。
「義理の場合はこっちのセンスの良さを見て貰うのもいいけどな」
「義理っすよ」
「向こうは義理でもこっちは義理じゃないってトコ見せなきゃ駄目なんだよ」
ぐい、と肩を引き寄せて耳元で言ってやる。
「ちっちゃくて可愛いあの子が好きだってちゃんと態度で示さなきゃ」
「は?!オレは別に直斗にっ」
いやオレは直斗なんて一言も言ってませんケド。
完二は本当に分かりやすい。
多分わかっていないのは当の直斗だけだ。
慌てる完二をスルーして話を続ける。
「同じものを全員に同時に渡して、あの子の分にだけもう一つ何かプラスしておくも良し、後で一人だけ呼びだして別に渡すも良し」
「……何を渡せばいいんすか」
「其処は自分で考えろよ。お前の得意分野でさ。編みぐるみでもいいし、なんかお菓子作ってやってもいいし。とにかくお前だけは特別なんだ、ってトコを見せなきゃいけないんだって!」
じゃないとこの鈍感で純情な連中は何時まで経っても先へ進もうとしないだろう。
誰かがけしかけてやらねばならない。
「いつまでも鼻血だしてるだけでいいのかよ?男を見せろ!」
「…わかりました!アザース、先輩!!」
ぐっと拳を握って完二が言う。
 
強面でガラが悪いが素直で可愛い後輩の恋を応援したい、と陽介は思ってる。
相手の一挙一動に慌てたり鼻血を出したりする完二を見て面白がってる訳ではない。決して。
 
上手くいっても玉砕しても報告しろよ、と言ったら其処は拒否られた。


END

***
完直ホワイトデー
多分義理チョコをくれたであろうということで…
完二をけしかける陽介(^-^)
いやホントあのカップルは押してやるヤツいなきゃ進まんよ、と思う訳です。

拍手

『キミの気高い生き様に惚れたと言っているのだ。だから諦めん、絶対に手に入れてやる!』
「…なあんてあたちも言われてみたいでち」
「はあ」
うっとりと呟くコトネに対し、ゼンジロウの反応は薄い。
キリハの何処がいいんだか、と言ったところか。
確かにキリハはゴーイングマイウェイを地で行くような性格だ。
人の赦しなど本人が決めることではない、このオレが決めるのだ!と言い放たれた時にはさすがのコトネも本当に吃驚した。
けれど、キリハの言葉はキリハの本心だ。
心の底からそう思っているからこその言葉なのだ。
だから、その言葉はネネに届いた。
絶望に沈んだネネの心に希望の灯を点した。
それがわかるからこそ、コトネは羨ましいと思うのである。
ませていると言われようと、女の子だったら誰だってそんな風に誰かに思われてみたいに決まってる。
とは言え目の前の朴念仁に其れを求めるのは難しいようだ。

「ま、あと10年もすりゃそんなコト言ってくれる変わった奴も出てくるかもなあ」
なんて笑いながら頭を撫でてくるゼンジロウの手にコトネは思いっきり噛み付いてやった。

***
キリネネ展開を踏まえてゼンコト
キリネネたまらん!

拍手

「やっぱやるなら一番狙いてえトコだが、先輩たちも居るとなると難しいな」
「何故ですか」
「いや何故って…鳴上先輩はイケメンだし、花村先輩だって口を開けばガッカリ王子なんて言われちゃいるが、喋んなきゃイケメンってお墨付きってことだろ」
それだけ容姿の整った先輩方が参戦するのだ。
女装イベントとはいえ、元々の容姿はかなり重要だと思う。
比べて自分は身体もごついし目つきは悪いし、普通に戦って勝てるとは思えない。
此処はいっそ笑いを取る形にでもした方がまた勝機はあるのではないか。
そう思ったのだが、直斗は其れが不満のようだ。
「それはつまり巽くんはイケメンではないということですか」
「…イケメンじゃないだろが」
自分で言うのもなんだが、どう贔屓目に見てもイケメンという形容詞からは遠い位置に居ると思われる。
「その意見には賛成できません」
しかし直斗はそうは思っていないらしい。
「確かに少し目つきは悪いかもしれませんが、背も高いしがっちりしているし、男らしいといった面で鳴上先輩や花村先輩に引けを取っているとは思えません」
直斗の熱弁は続く。
「確かに人それぞれ好みの違いといったものはあるでしょうが、決してブサイクの類に属するものではないとボクは考えます」
「…はぁ。ありがとよ」

『目つきが悪い』は、まあ余計だが、『背が高くてがっちりしていて男らしい。』
つまりは直斗は完二をそう思っているということだ。

しかし、どちらにせよそれは女装にはむいてないってことじゃないだろうか。
そう思いつつも少し嬉しい完二だった。


***
完直
アニメじゃメーイクアップ!担当が誰かあんまし語られてなかったカンジなので
直斗がやってくれたら良かったのにな的な。
まあ直斗がやってマリリンじゃなー(^^ゞ

拍手

「どうした、直斗」
直斗が完二の方を見ているのに気が付いて、悠は声をかけた。
直斗は首を振った。
「いえ、何も」
「そうか…ならいいが。なにか悩み事でもあるのかと」
悩み事やコンプレックスはテレビの中の世界では致命傷となりかねない。
そう言うと直斗は思い直したようで悠を見て言った。
「巽くんはボクの事が嫌いなんでしょうか」
「何故そう思う?」
「彼は皆さんに対する態度とボクに対してとではまるで対応が違います。ボクが新参者であるということもあるでしょうが、扱いがわからない…どう接したらいいか迷っているようだ」
鋭い。
さすが探偵だ、と悠は思った。
多分、完二は直斗のことを女の子として意識し始めている。
そしてその感情をどうしたらいいかまだ自分でわかっていない。
「それで『嫌い』だと?」
「はい…いいえ」
直斗は一度頷いたがすぐにそれを否定した。
「巽くんはおそらくそういうことははっきり態度に出すタイプだと思うんです。学校で見る限り、教師に対する態度はまさにそうだ。彼は粗野で乱暴者に見えるが繊細で優しい面も併せ持っているから、嫌いな人間でも命の危機に面しているとなれば助けに来てくれるでしょう…けれど」
乱暴者だが優しい面もある。
直斗は本当によく人を見ている。
それは探偵としての才なのか、それとも少しは完二を意識しているからなのだろうか。
「直斗は素晴らしい探偵だね」
「いえ、そんな…人の心ほど分かりにくいものはありません」
直斗は少し先を歩く完二の方を見た。
感情が態度に出る完二が、自分に対してだけ違う対応をするのが、何故だかわからないのだ。
それは完二にとって直斗が他とは違う、他に代わりの無い人だからだ。
それに気が付いてあげて欲しい。
悠は言った。
「そうかな。自分で今言ったじゃないか、完二ははっきり態度に出すって。わかりやすいよ」
「そう、でしょうか…」
まだ納得のいかない様子で直斗は言った。
けれどこの子はとても賢く敏いから、ほどなく答えに辿り着くだろう。
 

答えは、自分で見つけて。

 
完二の気持ちを勝手に言うのはルール違反だと思うから、今自分が出せるヒントは此れだけだ。



END

***
完直+悠
完二と直人が可愛すぎてたまらん。
明らかに完二が意識してるのが可愛いと思います。
直斗はそういうの観察して気がつくのは得意なんだろうけど
自分に関することは鈍そう。
やっぱ可愛い。

拍手