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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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私、少し前まではおばあちゃんの庭から出ようともしなかった。
ずっとあそこに居ることが幸せだと思っていた。
だけど其処に燐が来たの。
最初は言葉使いも乱暴だし、声も大きいし、ちょっと怖い人って思った。
でも違ったの。
燐は優しかった。
乱暴な言い方をするけど優しい人だった。
だから私、塾へ来ることに決めたの。
ずっと同じ所に居たって駄目なんだってわかったから。
見ただけじゃわからない、話して、経験してみなきゃわからないことが沢山あるんだって燐が教えてくれたから。

「ああ、そう」
しえみの話に出雲はつまらなそうに適当な返事をした。
「もう、出雲ちゃんてば」
朴がそんな友人の態度を窘める。
「だって朴、この子の話要するに惚気よ?自分が如何に奥村燐が好きか語ってるだけじゃないの」
「そ、そんなんじゃないよ!!」
慌てるしえみに出雲は言った。
「じゃあアンタ今すぐ鏡見てごらんなさいよ。真っ赤よ?」

***
燐しえ前提でガールズトークと言うか。
しえみちゃんは無自覚で惚気そう。


拍手文でした。

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タイキ達ジェネラルは終末の千年魔獣を倒すために最後の闘いへと向かった。
「…あたしたち、今まで役に立ってたのかな」
残されたアカリは小さな声でそう呟いた。
ジェネラルではないから置いて行かれた、その想いからつい言葉にしてしまった。
ゼンジロウから強い肯定が返る。
「立ってたさ」
アカリは泣いた痕を隠す様に俯いたままその声を聞く。
ゼンジロウは決して顔を覗き込んできたりはしなかった。
意外に人に気の使える優しい奴なのだと旅の中で知った。
姉を心配するコトネを人一倍気にして元気付けようとしていたのもゼンジロウだ。
アカリ達が人間界へ戻っている間、残ると言い張ったコトネに率先して一緒に残ると言ったのもゼンジロウだった。
この小さな女の子を守ってやらなければ、と思っているようだった。
今も、泣き顔を見られたくないだろうと、気を使ってくれているのだろう。
あんな風に一生懸命元気にタイキを送りだしておきながら結局泣いてしまった。
精いっぱい何でもない風を装っておきながら耐えられなかった。
「進化の力にもなれたし、アカリ君はクロスハートの会計係みたいなこともやってちゃんと働いてたじゃないか」
でも、置いて行かれた。
タイキの側に居たかった。
人間界で心配しながら待って居るより側に居た方がどれだけ安心出来るか。
何があってもアカリの所に帰ってくるから。
だけどあんな風に言われたらどうしようも無くて、さっさと行って来いと送り出すしかなかった。
仕方ないのだ、クロス・コードというのは先天的なもので自分たちには其れが無い。
「剣道の団体戦て見たことあるよな、アカリ君」
「え、うん」
アカリは唐突な話題に驚いて顔を上げた。
見たことあるも何も、その団体戦でゼンジロウとタイキは対戦したのだ。
「だいたい5人ひと組でチーム戦するんだけど、最後に試合する大将の一番大事な仕事ってなんだかわかるかい」
「…何なの?」
勝つこと、以外に何があるのだろう。
アカリの問いに答えてゼンジロウは言った。
 
「待つことさ」
 
「平常心を保って、仲間が自分の順が来るまでに少しでも多く勝ってくれることを信じて、待つことさ」
まるで自分にも言い聞かせるかのように、ゼンジロウがゆっくり言葉を紡ぐ。
「そして自分の試合の時に全力で戦う。全力を出せる様に心を落ち着けて待つんだ」
「待つ…」
「信じて待つってのが実は一番重要で大事なことなんだ」


自分だけが、心配しているように思っていた。
だけど違った。
ゼンジロウだって此処まで共に旅してきたのだ、一緒に行きたくなかった訳が無い。
あの小さな女の子を危険な場所へ行かせてしまった、自分は此処に居て守ってやることが出来ない、其れが悔しくない筈が無いのだ。


「うん」
うん、とアカリは何度も頷いた。
クロスコードというのは先天的なもので持っていない以上仕方が無い。
だから其れ以外の所で頑張るしかない。
アカリはぐいと涙を拭って言った。
「最高の笑顔で迎えてやんなきゃね!」
絶対に元気で帰ってくると信じて待とう。


 
それが自分たちの最後の闘いなのだ。





END

***
タイアカとゼンコトのつもり
Vジャン3月号のデジクロに萌えて萌えて…!ああたまらん!
来月号はキリネネがくるって信じてる!!!

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「花村先輩と里中先輩って付き合ってるんスか」
完二がそう質問すると陽介は飲んでいたリボンシトロンに盛大に噎せた。
思ってもいない予想外の質問だったらしい。
「な、なんだよ突然お前」
「いや仲いいなって」
そう、仲がいい。
遠慮が無いというか、もう何年も付き合って相手の何もかもがわかっているカップルのように見える。
「残念ながら付き合っちゃいないっての」
「『残念ながら』っすか」
付き合っていない、として見るならば、二人の関係はサバサバしていてまるで同性の友人のようだ。
女の子扱いしているようには見えない。
だから『残念ながら』という陽介の答えが少し意外だった。
里中先輩ととても仲が良いけれど、どちらかというと天城先輩の方に気があるのではと思うくらいだったから。
完二の心を読んだ様に陽介は言った。
「そりゃ口より先に足が出るような凶暴な女だけどさ」
思わず頷く。
「でも転校してきたオレに気さくに話しかけてきてくれたイイ奴なんだぜ」
それにさ、と陽介は少し小声になった。
「結構カワイイと思うんだよな」
乱暴者で肉食だけど、容姿は並み以上だと思う。
 

…それを本人に言えばいいのに。

 
完二はそう思ったが口には出さなかった。


END

***
花千枝
でも陽介は小西先輩のこともあるし
事件が片付くまでは言いそうもない。

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「だからボクはあなたのそういう所が嫌いなんです」
雪男は本来、あまりそういう言い方をしない子供だった。
他人には。
兄である自分には結構キツイ言い方も平気でする。
だが、他人にはそういう言い方をしたところを見たことが無かった。
人当たりが良く、上手く付き合っていけるヤツだった。
「アンビバレンツと言う奴ですねぇ」
他の誰も着ないようなピンクの服を着たピエロが楽しそうに言う。
「あん…なんだって?」
聞きなれない言葉に燐は首を傾げた。
「嫌い嫌いも好きのウチという奴ですよ」

ああ、成程。

その説明に思いっきり納得してしまった。

***
どう見ても好きの内でしょっつー。
そんな雪シュラ

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「音吉さんさよなら」
「ああ、奏太くんさよなら。気を付けてな」
はあい、と元気な声を残して奏太は駆けて行く。
その後ろ姿を見送って、アコの方に向き直った。
アコは、自分を見ていなかった。
去っていく奏太の背中を見ていた。
「一緒だったのかね」
アコは頷いた。
「うん。自分の傘あるくせに、馬鹿みたい」
さっさと帰ればいいのに。
口調は辛辣だが、表情は其れを裏切っている。
「…奏太くんは優しい、いい子じゃな」
返事は無かった。
ただ僅かに髪が揺れた。

子供の成長は早いものだと思う。

この可愛い孫は何時まで自分と一緒に帰ってくれるだろう。
そんなことを考えるとほんの少し、寂しい、気がした。


***
奏アコ
そのうち奏太と相合傘で帰ってきそうで
お祖父ちゃんはちょっと寂しい
まあアコちゃんの性格じゃ
そう素直に奏太の傘に入りそうもありませんが

パパは彼氏なんか出来たら大騒ぎしそうだ(^^ゞ

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