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ぽえまのこうしん
更新記録と小ネタ。
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天才というのは難儀な生き物だ、と今吉は思う。
凡人からしてみれば手に入らないモノなど何もないように思えるのに、『手に入らないモノ』を欲しがっている。
いや違う。
正確には手に入るまでの『過程』が欲しいだけだ。
手に入ってしまったら興味を失くすのだろう。
だから今吉は、花宮をして人の心が読める妖怪であるとまで言わしめた、自身の長所を最大限に使って、二手三手先を読み、逃げるだけだ。


お前に捕まってやる気など無いと、のらりくらりと逃げ続けてやるだけだ。



***
花今
追い続けて欲しい今吉さん。
花宮を相手にする時は
サトリ能力全開な気がする

拍手文でした。
 

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まるで知らない人と話す様に自分と会話するからいらいらしていた。
今吉を強引に壁に押し付けて顔を近づける。
「…こんな状況で聞くのもなんなんやけど」
所謂壁ドンされた状態で今吉が言う。
「ワシと青峰が恋人同士やったってホンマ?」
「…誰から聞いたんだよ」
記憶喪失の今吉にそんなことを吹き込む奴の心当たりは一人しかいないが、青峰は聞いた。
「黒子っちゅーの?あの子が言うとった」
思った通りの人物の名が今吉の口から零れ落ちる。
尤も自分たちの関係がばれているのは黒子だけの筈だったから他の名が出てきても困る。
察しのいい幼馴染辺りは勘付いているのかもしれないが。
「だから早く思い出してあげてください、やと」
何でそないこと他人に言われなあかんねん。ワシかてはよ思い出したいわ。
面白くも無さそうに今吉は言う。
「まあ冗談かと思うたんやが」
「本当だよ」
今吉は他人事のように言う。
「黒子にはそんな話まですんのや」
「ちげーよ。アイツが探り入れてくるから…その、ポロっと」
青峰が黒子の誘導尋問に引っ掛からない訳は無いのだ。
黒子は青峰よりも賢いし、ああ見えて結構腹黒い。
青峰がそう思ってることも知らず今吉は言う。
「仲良しやな」
「別にそんなんじゃねえよ。テツも付き合ってるオトコ居るし、なんか仲間意識みたいのはあるけど」
黒子は火神と付き合っている。
今吉と付き合っていることを白状した時、黒子は自分の交際相手も男だと言ったのだ。
話や相談の出来る相手が欲しかったらしい。
その為に探りを入れてきたのだ。
「…アンタ今の状況わかってんの」
キスされる寸前、もしくはその先もされるかもって状態なんだけど。
何日も他人扱いされて本当に爆発しそうだ。
「わかってきたわー」
今吉は呑気に言う。
「ようするにアレやな、ワシはヤキモチ焼いっとんたんやな?」
「は?」
そんな素振りはまったく見た事ねえけど。
というか疑問系で聞かれても困る。
「そんなことわかんねえよ」
「うん、そうやろな」
今吉は頷いた。
「此処2週間でわかったんやけど、ワシは基本的に最悪の場合を考えて動くタイプやねん。一番悪い状況に対応出来るようにしとけば他の場合も何とかなるやろ。そんで人に素を見せるのが大嫌いや」
何となく其れは解る。
「まあつまり根暗なんやな」
今吉はそう自分を評価して笑った。
「そんでワシは青峰がホンマは黒子が好きなんやと思って一人で暗くうじうじしてたんとちゃうかな」
何処までも他人事、他人を観察した結果のように今吉は言う。

「オレが好きなのはアンタだ」


そうだ、自分が好きなのは今吉だ。
けれど眼の前の男は多分其れを信じていない。

いや、いなかった。

だからちっとも自分のことを思い出してくれないのだ。


肩口に顔を乗せれば、今吉は子供にするようによしよしと撫でてくれる。
そんな仕草は記憶がなくても全く変わらないのに。



この人は青峰の知っている『今吉翔一』ではないのだ。




***
青今
付き合ってる前提で記憶喪失今吉さん。
思い出して貰えないので青峰がイライラしてる
今吉さんは記憶がない分素直で正直だけど他人事

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「先輩が卒業しちゃって寂しいッス」
黄瀬が言う。
そうですね、相当懐いていましたものね。
というかすでにその先のお付き合いなのだと知っているので黒子の反応は冷たい。
「そうですか」
「黒子っち冷たい!」
案の定、犬はわっとテーブルに突っ伏した。
仕事で此方に来ていたという黄瀬と、捕まえた青峰と、マジバなう。な訳だが、騒ぐモデルは目立って本気で鬱陶しい。
あまり機嫌の宜しくない携帯を弄るガングロも結構鬱陶しい。
弄るばかりで電話するでもメールするでもない。
「でも一人暮らしのお部屋に遊びに行ったりしてるんでしょう」
悪目立ちを避けるためにそう言ったらば、駄犬はあっという間に立ち直って言った。
「そうッス!!」
その立ち直りの早さがやはりイラッとする。
えへへと笑う犬に黒子は言い放った。
「リア充爆発しろ」
「ヒドイ!!」
此方の騒ぎになど興味無さそうに青峰は携帯を弄っていた。
黒子は話を振ってみる。
「青峰くんも今吉さんが卒業されて寂しいでしょう」
個人名で。
先輩方、とは言わなかった。
青峰は此方の意図に気がつかないように答える。
「ああ?んなわけねーだろ、どーでもいいっつの。あの人はオレのことなんか放りっぱなしだったし」
黄瀬んトコとはちげーよ。
その呟きに黒子はぼそりと言う。
「それ本気で言ってるならイグナイトですけどね」
「ああ?」
本当に聞こえなかったらしい青峰をスルーして黒子は続ける。
「まあ笠松さんと違うという点では確かにその通りだったかもしれませんね」
そう言って黒子はバニラシェイクを啜った。
「笠松さんは後ろから蹴りを入れて前に進ませるタイプの人でしたが、今吉さんは2,3歩先に立って拗ねた子供が自分で立ち上がるのを辛抱強く待っているようなカンジでした」
「誰が拗ねた子供だよ」
「青峰くんのこととは言ってませんよ」
言ったも同然である。
「まあ意地を張って立ち上がらなったせいで今吉さんは卒業されてしまいましたが」
今更寂しがっても遅いってもんです。
黒子は大人しそうな顔をしているが意外と辛辣だ。
それが図星なので反論も出来ず青峰は不貞腐れる。
「でももしかしたら此れもあの人の計算だったのかもしれませんね」
「計算ってなんスか?」
「ジャイアンの法則です」
「ジャイアンの法則?」
首を傾げた黄瀬に黒子は説明した。
「普段傍若無人に振舞っている人が、たまにいい事をすると、実はすごいいい人なんじゃないかって思うアレです」
ジャイアンて映画では結構協力的だしいい奴でしょう?
成程、と黄瀬は頷いた。
「全然練習に来なかった人が真面目に来るようになったらその他の事は大概大目に見て貰えるものです」
練習に来るようになっただけマシだ、と。
実際若松が主将になってからの桐皇バスケ部はそんなカンジだ。
桃井からの話なのだろうが、見てきたかのような黒子の言葉に青峰は言う。
「結局オレの話じゃねえかテツ」
「いいえ例え話です」
言い張って黒子はバニラシェイクを啜った。
「ところで」
そう言って黒子は青峰の手から携帯を取り上げた。
「自分でかけられないのならボクがかけてあげますよ」
「テツてめえ」
「ちょ、青峰っち暴力反対ッス!」
掴みかかろうとした青峰を黄瀬が止める。
「黄瀬くんナイスフォローです」
『もしもし?』
「もしもし、今吉さんですか。黒子です。突然すみません」
『おー黒子かいな。どないしたん?此れ青峰の番号やろ』
「そうです。かけたいのにかけられなくてうじうじしているようでしたので、イラッとしまして」
「貸せ、テツ!」
青峰は黒子から自分の携帯を取り上げた。
通話中の其れを耳に当てる。
「……もしもし」
『なんや青峰、用あんなら自分でかけてきいや』
聞きなれた、でも久しぶりに聞く声が電話の向こうで笑う。

『もうガキやないんやから』

笑いを含んだ声がぷつりと途絶えた後は、ただの機械音。
携帯を持ったままプルプルと腕を震わせる青峰に黒子は声をかけた。
「どうしました、青峰くん」
「切りやがった、あの腹黒眼鏡!」
怒鳴って青峰はマジバを飛びだしていった。
「ちょ、青峰っち!」
「黄瀬くん、放っておきましょう」
澄ましてバニラシェイクを啜る黒子を黄瀬が振り返る。

「青峰くんの恋は始まったばかりなんですから」

あの人相手ではそう簡単にいきそうもないですけど。
 

***
青今
今吉さんが卒業しちゃって寂しい青峰を
もう正直ウザいんでさっさと告ってくっ付いてくれませんかホント面倒なんで
ってことで黒子さまがけしかける話
実は黄笠で黒火

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「仕方ねえだろ」
青峰が言う。
「アンタの顔に『私を食べて』って書いてあったんだから」
「んなわけあるかい」
その頭をぺしと叩いてやる。
『eat me』私を食べて
不思議の国のアリスじゃあるまいし。
「何だよ其れ」
「アリス知らんのかいな。ケーキだかクッキーだかに『私を食べて』って書いてあったんや。で、ソレ食うと大きゅうなったり小さなったりすんねん」
そうしてアリスは身体の大きさを調節して小さな扉を潜ったのだ。
雑な説明だがアホ峰相手だ、特に問題は無い。
「やっぱアンタにも書いてあったんだって」
アホ峰は言う。
「アンタを舐めただけで大きく、」
「下ネタはええわ!!」
先ほどより強くべしと叩いてやった。
もうこの阿呆は放っておいて朝練へ行こう、そうしよう。
痛む腰を庇いつつ起き上がろうとする今吉に黒い腕が絡みつく。

「もっと食いたい」

今度こそぐーで殴ってやった。


***
不思議の国のエロ峰くん(笑)
下ネタでスイマセン…

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最近、青峰が練習に顔を出すようになった。
新主将になったオレの言うことを聞くようになったかというとそんな訳も無い。
ただ、喧嘩は依然と比べて減った。
オレが怒鳴ると、馬鹿にした態度を取るか、怒鳴り返してくるか、どちらにせよ売られたケンカは買う奴だった。
けれど今は。怒鳴り返そうとして、黙る。
それからほんの少し視線が彷徨う。
まるで誰かを探すみたいに。
そうして結局何も言い返さず、指示に従うのだ。
 
アレは言うことを聞いてる訳じゃない。

アイツを手懐けることが出来たのはやっぱり主将だけだった。
 


 

最近、青峰さんは練習に参加するようになりましたね。
うっかりそんなことを口にしたら凄い目で睨まれた
。スイマセンスイマセン。
ボクの作った弁当を咀嚼する作業に戻った青峰さんは此方なんか見て居ない。
WC初戦敗退。
大会後から練習に参加するようになった青峰さん。
泣かせちゃいましたもんね。
なんて言おうものなら睨まれるだけじゃ済まないだろうから言わない。

でも多分あれが堪えたのだと勝手に思っている。
 
この人の心を誰が占めているかなんて本当は解ってるんだ。



 
青峰くんは練習に出るようになったようです。
オレに勝てるのは(以下略)と言うあの台詞も今や黒歴史ですね、と言ったら怒られました。
お前も大概口が悪いよな。
お前も、ってボクの他にも口の悪い人が居るんですか身近に。
青峰くんはそれには答えてくれませんでした。
でも誰の事だか想像はつきます。
青峰くんを宥めたりからかったり煽ったり。
そして最強だと一番信じていてくれた人。
自分で歩きだすのを待っていてくれた人。
寂しいですか、と聞いたらば、また怒られそうなので、他の言葉に替えておきます。
 
こうやってまたキミと話せるようになって嬉しいです。



練習にはちゃんと出てる。
でもアンタはもう此処に居ない。


***
青今
今吉さんが引退しちゃって寂しい青峰
本人は無自覚でも周りにバレバレ

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